しとえ / 嵐の夜の演奏会
雨風が強い晩でした。 暖炉の火のそばで温まっているとふと扉を叩く音。 コンコン! 誰かが訪ねてきます。 扉を開けると小さな男の子が立っているではありませんか、土でドロドロの足。 「...
詩人/作家 Xのアカウントにて詩、140字小説、掌小説など短文学をメインに活動しております。
雨風が強い晩でした。 暖炉の火のそばで温まっているとふと扉を叩く音。 コンコン! 誰かが訪ねてきます。 扉を開けると小さな男の子が立っているではありませんか、土でドロドロの足。 「...
あぁ、もう一度あなた様にお会いしとうございました。お会いしとうございました。 聞いてくださいまし。あなた様に初めてお会いした日を。その白い肌と絹糸のような細い黒髪が、薄紫の藤の花の...
うらめしや あぁ、うらめしや うらめしや あの人は私のものだったのに 何故奪われ他の女と うらめしや うらめしや この先、何代かかろうとも 必ず奪い返して見せようぞ たとえこの身...
人間は死ぬ前に夢を見ると言う―― 幸福な夢。生前生きた記憶が映像として再生され美しい場所に行く夢。 だったら機械人形は夢を見るのだろうか…… 彼が私のところにやってきたのは7歳の誕...
田んぼの横には彼岸花が咲いていた。 秋風に心地よく揺れる稲穂は金の実りをたたえていた。 その上を煌めく羽根のトンボたちが飛んで行く。 今年の9月の祝日はとても長い。土日を挟んで5日も...
「ただいま、おやつある?」 「おかえり。先に手を洗ってからね」 「はーい」 娘が小学校から帰ってきた。 家に帰ってくればいつもこの調子だ。小学校でたくさん遊んでいるからお腹が空く...