SF・ファンタジー

言葉は最後に誰と逢う

413文字 約1分で読了
作者:しとえ
 私の仕事は死神だから、毎日のように死ぬ人間たちと出会っている。 幸せな死に方もあれば、そうでない人もたくさんいる。 最後の言葉を誰かに届けるのも私の仕事だ。  人はそれを夢枕という。 うまく届くこともあれば、その言葉に気づかない人間もいる。 今日もまた死ぬ前の人間のところに私は飛んで行った。 優しい言葉を受け取って、それを抱えてその人が届けたいと思った人物のところに行く。 受け取ってくれることもあれば、拒絶していることもある。  今日の人は受け取ってくれたみたいだ。 葬式で泣いている。私は死んだ人の魂を抱え連れて行く。 生きている人間の言葉を聞いた魂を。 この人物は幸福だったのだと思う。 死んだその時の言葉をちゃんと受け取ってもらえたのだから。  さようなら、この世界  死んだ後の魂がどこに行くのかは私も知らない。 去って行く魂を見て、私はまた地上に舞い戻る。  この世界は優しい言葉で満ちて欲しいと心の底から思う。 死の間際の言葉は幸福であってほしいと思う。
2026/10/25 ・ 👁️ 11回 ・ 💬 0件

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