SF・ファンタジー
言葉は最後に誰と逢う
413文字
約1分で読了
私の仕事は死神だから、毎日のように死ぬ人間たちと出会っている。
幸せな死に方もあれば、そうでない人もたくさんいる。
最後の言葉を誰かに届けるのも私の仕事だ。
人はそれを夢枕という。
うまく届くこともあれば、その言葉に気づかない人間もいる。
今日もまた死ぬ前の人間のところに私は飛んで行った。
優しい言葉を受け取って、それを抱えてその人が届けたいと思った人物のところに行く。
受け取ってくれることもあれば、拒絶していることもある。
今日の人は受け取ってくれたみたいだ。
葬式で泣いている。私は死んだ人の魂を抱え連れて行く。
生きている人間の言葉を聞いた魂を。
この人物は幸福だったのだと思う。
死んだその時の言葉をちゃんと受け取ってもらえたのだから。
さようなら、この世界
死んだ後の魂がどこに行くのかは私も知らない。
去って行く魂を見て、私はまた地上に舞い戻る。
この世界は優しい言葉で満ちて欲しいと心の底から思う。
死の間際の言葉は幸福であってほしいと思う。
\ 次の作品を探す /

読者の感想・応援メッセージ