しとえ / 切り札まみれ
「すごいね、お父さんって何でもできる!」 自転車の修理をしていたら娘がやってきて感心したようにそう言った。 毎日学校に自転車で通う娘。 パンクして困った顔をして帰ってきたのは昨日...
詩人/作家 Xのアカウントにて詩、140字小説、掌小説など短文学をメインに活動しております。
「すごいね、お父さんって何でもできる!」 自転車の修理をしていたら娘がやってきて感心したようにそう言った。 毎日学校に自転車で通う娘。 パンクして困った顔をして帰ってきたのは昨日...
夕暮れの道を君と二人で帰る。 見てよ一番星 君にそう言われて空を見上げれば、金星が輝いていた。 三日月のすぐそばで。まるで小さな月のかけらみたいだ。 太陽の光がゆっくりと街を巨大...
枯れ果てた夏の残骸を 抱きしめて、私は空をみた。 すっかりと干乾びた 夏の亡骸を抱え上げ 澄み渡る空きの空に、 私は泣いた。 涙に秋風が染みて ひとりぬくもりを求めた。 風のな...
「ソラちゃんご飯よ!」 ママの呼ぶ声がする。 ボクはキッチンにまで降りてご飯を食べ始めた。 大概いつも同じ味。美味しいんだけど飽きちゃうんだよね! あっという間に食べちゃって、なん...
カセットテープをセットしてラジカセのスイッチを押す。 再生されるのはずいぶん昔のラジオの音声。 これを録音した日のことを思い出す。 もう3年も前のことだ。 「あのさ今日の夕方6時...
ザーザー……ザー…ザー… 夜明けの空にノイズのような雨音。 外は土砂降りの雨だった。私はほんの少しカーテンを開くと外を見た。横殴りの雨はまるでシャワーをガラスに叩きつけているよう。...
記憶は永遠のタイムカプセルの中に 閉じ込められたかのように忘れられても いつかその箱が開かれた時に また思い出し時間は動き出すのだ 懐かしい思い出、希望や夢 それがたとえ叶わなかっ...
夜勤明けの朝はともかく眠い。 特にトラブルがあった後の朝は。 自宅に戻る前にコンビニで朝食と朝食の兼用の菓子パンを買って公園に立ち寄る。 ベンチではなく柔らかな芝生の上に座る。...
『エセお嬢様とエセ執事その1』 貴族の庶子であることが判明した私は幼なじみを適当に執事に仕立て上げ屋敷へと乗り込んだ。 奪え財産!玉の輿! ちょっとこの紅茶甘すぎるわよ 「あ〜そち...
パラレルワールドというのを あなたは信じるだろうか? もしもあの時ああしていれば、 もしも、もしもの世界 ……もしも、 目の前でエレベーターが閉まって行く。 「待っ……」 そう言いか...