TakaTuki

プロフィール

更新頻度は出来たら投稿というスタイルなので、やや低め。ジャンルは思いついたら書く、というスタイルなので雑多。

公開作品(全21件)

コメディ・日常
932文字 約2分で読了

TakaTuki / 赤い印の贈りもの

雪森町の無人駅を降りると、理沙のブーツは新雪に沈んだ。雪道を二十分ほど歩くと、りんご畑の向こうに選果場が見えてきた。軒下には、使い込まれた木箱が積まれている。 贈答用りんごの...

投稿日時:2026/10/14 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
998文字 約2分で読了

TakaTuki / 坂道の歩幅

 鐘見町の石段は、数えても数えても終わらなかった。 「おばあちゃん、毎日ここを歩いてるの?」  菜月が振り返ると、千代は三段下で手すりにつかまり、息を整えていた。 「天気のよ...

投稿日時:2026/10/13 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2372文字 約5分で読了

TakaTuki / 潮風の縫い目

 今祇島(いまかみじま)の港では、ロープが岸壁を擦る音がした。  美咲はフェリーを降り、レモン畑の続く坂を歩いた。  三日間の休暇を取って島へ来た。休み明けには上司との面談があ...

投稿日時:2026/10/12 ・ ❤️ 4件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
673文字 約2分で読了

TakaTuki / 地図にない思い出

朝の高恵那町では、川の音より先に木槌の音がする。軒先で杉の箱を組む音だ。 美咲は橋のたもとの朝市で、くるみ味噌を塗った五平餅を買った。包み紙の下から、四つ折りの地図が出てきた。...

投稿日時:2026/10/11 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
794文字 約2分で読了

TakaTuki / 明日は何色

 朝七時ニ十一分の小波橋行きバスは、いつも右側の二人掛けが空いている。千夏は三年前から、そこに座る。  座ったらイヤホンをつけて、スマホを見る。橋を渡るころにはニュースを読み終え...

投稿日時:2026/10/10 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
598文字 約2分で読了

TakaTuki / 直し傘、預かります

 雨の多い町だ。北陸の古い城下町、雨宮では、傘を使い捨てにしない。  石畳の路地には格子戸の町家が並び、軒先の雨樋から細い水が落ちる。川沿いの木橋を渡れば、祖母から継いだ私の傘直...

投稿日時:2026/10/09 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2681文字 約6分で読了

TakaTuki / 日曜の朝市と来週の樽

 午前五時半のやまぶき市は、まだ市場ではなかった。  川沿いの細い通りに軽トラックが何台も入り、荷台から折り畳みの台や木箱が下ろされている。水を打たれた石畳の上では、野菜、干物、...

投稿日時:2026/10/08 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2192文字 約5分で読了

TakaTuki / 定休日の柿

蛍橋(ほたるばし)町には、川と柿の木が多い。 初夏の夜には川面を蛍が飛び、秋には、川沿いの石畳へ枝を差しかけた柿の木が一斉に色づく。町じゅうの庭に渋柿があって、家ごとに渋を抜く。...

投稿日時:2026/10/07 ・ ❤️ 3件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2442文字 約5分で読了

TakaTuki / 半丁、承ります

水の辻の朝は、豆の湯気から始まる。 午前三時、美波は店の電気をつけて、前の晩から水に浸けておいた大豆を石臼のそばへ運ぶ。 水を吸った豆は、指で押すと少しだけやわらかい。冷たい水...

投稿日時:2026/10/06 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2835文字 約6分で読了

TakaTuki / 最終便のあとで

最終の連絡船は、わたしが桟橋に着く三分前に出ていた。 白い船尾が沖へ小さくなっていくのを、キャリーケースの取っ手を握ったまま見送る。 あと三分。 駅からここまでの坂道を、もっ...

投稿日時:2026/10/05 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
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