TakaTuki

プロフィール

更新頻度は出来たら投稿というスタイルなので、やや低め。ジャンルは思いついたら書く、というスタイルなので雑多。

公開作品(全21件)

コメディ・日常
1211文字 約3分で読了

TakaTuki / 三つ目のしるし

初雪が山の稜線を白く縁取った十月、モンタナ州ガーディナーの朝は、頬に刺さるほど冷えていた。リサはダウンジャケットの襟を立て、首から下げた木札を指先でなぞった。 三十五歳の誕生日に...

投稿日時:2026/10/24 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
929文字 約2分で読了

TakaTuki / しっぽは、少し曲がっている

坂道の端に、黄色く色づいたカラマツの針葉が落ちていた。アローザの村を歩きながら、千紘は軒先の木彫りの動物を見つけるたび、足を止めた。猫シッターの仕事を始めてから、旅先でも猫の姿が気...

投稿日時:2026/10/23 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
1794文字 約4分で読了

TakaTuki / 水音の向こうに

アイガー北壁に午後の光が残り、グリンデルワルトの谷に長い影が伸びていた。黄金色のカラマツが風に揺れ、牧草地からカウベルの音がひとつ、遅れてもうひとつ届く。  私は木組みのシャレー...

投稿日時:2026/10/22 ・ ❤️ 2件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2012文字 約5分で読了

TakaTuki / 朝の余白

村の朝は、白かった。 水田の向こうに低い山が見えるはずなのに、霧に溶けて輪郭だけが残っている。湿り気を帯びた風が、紗季の頬を撫でていった。 チェンマイの中心部から車で一時間ほど...

投稿日時:2026/10/21 ・ ❤️ 2件 ・ 💬 2件
コメディ・日常
1044文字 約3分で読了

TakaTuki / 土の匂いを、ひとつまみ

朝霧の向こうで、運河がゆっくり目を覚ましていた。野菜や果物を積んだ小舟が行き交い、売り声と櫂の音が水面を揺らす。水上市場の片隅で、チャイは自分の舟「ナーガ号」に腰を下ろし、胡椒とレ...

投稿日時:2026/10/20 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
703文字 約2分で読了

TakaTuki / 帰りの列車は、まだ決めない

勝河町の駅に降りると、結衣はスマートフォンで帰りの列車の時刻を確かめた。農園まで徒歩十五分。見学と昼食を済ませ、午後三時の列車に乗る。予定に狂いはない。 「こっちです」 地...

投稿日時:2026/10/19 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
1560文字 約4分で読了

TakaTuki / いちご一粒ぶんの器

白窯町の坂道には、焼き上がった陶器を並べる木棚が続いていた。白や淡い青の器が朝の光を受け、坂の上の窯元からは、薪を焚く匂いが漂っていた。 奈緒は仕事用の鞄を肩に掛け直し、窯元の店...

投稿日時:2026/10/18 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 2件
コメディ・日常
1782文字 約4分で読了

TakaTuki / 湯気の向こうの、桜島

火ノ浦市の夕暮れは、火山灰の匂いがする。 大阪で音響技師をしている森川由衣は、録音機を提げて商店街を歩いていた。さつま揚げが油の中ではじける音。竹ぼうきが舗道に積もった火山灰を掃...

投稿日時:2026/10/17 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
2687文字 約6分で読了

TakaTuki / 藍色のポケットに、旅の切符

吉野川の川風が、藍ノ瀬町の路地を吹き抜けていた。 水場からは絶えず水の音がする。古い商家の軒先を抜けると、藍染め工房の引き戸が半分開いていた。土間には湿った土と染料の匂いが混じり...

投稿日時:2026/10/16 ・ ❤️ 1件 ・ 💬 0件
コメディ・日常
1953文字 約4分で読了

TakaTuki / 星の見えない夜に

午後六時、星守町には細かな雨が降っていた。 千尋は宿の窓から空を見上げた。山の稜線は灰色の雲に溶け、向かいの家の屋根から雨粒が絶え間なく落ちている。窓の隙間から、濡れた土と草の匂...

投稿日時:2026/10/15 ・ ❤️ 0件 ・ 💬 0件
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