珈琲時間 / 純白の姫虫
たこ焼きを転がす技術はたこ焼きを焼けるという特技に直結する。 暇を持て余した研究室は、アシダカグモから卵嚢を奪い、とりあえずガンマ線を当てることになった。 現在のゲノム...
掌編小説とカクヨムで長編書いてます。
たこ焼きを転がす技術はたこ焼きを焼けるという特技に直結する。 暇を持て余した研究室は、アシダカグモから卵嚢を奪い、とりあえずガンマ線を当てることになった。 現在のゲノム...
僕の友人リュウジは宇宙人だ。 中肉中背のそいつは毎朝通便の報告をLINEしてくるようなタイプで、運転は買って出るタイプで、最中は延々とFMラジオをご機嫌に垂れ流し、プレイリスト...
「今時珍しいよな。こんな見事な畳のワンルームなんて。六畳だっけ? 八畳?」 彼の友人は定期的に意味も目的もなくこうやってからかってくる。男の人ってなんでこんなにマウント取りた...
「あ」と書くと次の語は限定される。それは「あ」の上から「い」を重ねて書いても同じことだった。 僕がこのような手法を思いついたのは、複雑なコーヒーの風味を文字で表して、さも...
「豊胸しよっかな。どう思う?」 二枚のトーストがオーブンで焼かれながら僕はコーヒーを淹れる。この愛でるべきルーティンの中、彼女が唐突に扱いづらいクエスチョンマークを叩きつけ...
その通話アプリにはサーバーと呼ばれるコミュニティがあって大きいサーバーだと五千人を超える。テキストチャットと通話が主な目的であり複数人参加は会議と呼ばれ個人同士の場合だと個室など...
僕は、思う。 エントロピーの先、熱的死まで続くこの宇宙の理を。その過程を担うこの肉体と精神とその刹那を。 僕という個体はあらゆる事物と相関しているが、すなわち因果とは言えない...
本質とは何かをその男は理解していた。 男の趣味は口髭を珍妙な形に整えることで、職業上マスクと帽子を欠かせない彼の生活スタイルにある意味でとてもマッチしていた。 男の仕事は個...
庭のプチトマトが沸騰しているのを僕はエアコンの効いた室内から傍観している。 傍観しているのは窓の外が灼熱の夏日和だからであり、外出するにはただただ億劫だからということに尽きる。...
「昨日さ、金縛りにあったんだよ」 キーボードを叩いていると、ふと昨夜の出来事を思い出し、ディスプレイ越しに向かいの同僚の女に話しかけてみた。 「へえ。疲れてるんじゃないの? ...