ころもやぎ / ミイラさん、今日の日は
月曜の朝、通い慣れた近くの公園に行くと、私がいつも座る場所に先客がいた。その人は白い半透明のビニールテープで体を覆うミイラさんだった。 「おはようございます」 私がそう話しかけ...
ころもやぎです。文章を書くのが好きです。よろしくお願いいたします。
月曜の朝、通い慣れた近くの公園に行くと、私がいつも座る場所に先客がいた。その人は白い半透明のビニールテープで体を覆うミイラさんだった。 「おはようございます」 私がそう話しかけ...
月の音は、水面を揺らす足音だ。気配は薄く、しかし確かな知性と冷静さを兼ね備えたその音は、鋭利な刃物のようにキッチリと研ぎ澄まされている。その音に胸を刺される度、恍惚とした感情が芽...
初めて私が目を覚ました朝、貴方は私に握手を求めたわね。 今でもあの日の事は鮮明に覚えている。私という実態を持たない情報の集積が、空の器に注がれた日。沢山の人間が喜んで飛び跳ね、...
ある朝、公園のベンチでのんびり太陽の光を浴びていると、見知らぬ子供に話しかけられた。 「あなたは今どこにいるんですか?」 「ここにいるけれど」 「そうですか。じゃあ明日は? 明後日...
放課後、夕日が沈むのを見ながらファミレスでパフェを食べる学生が一人いた。彼の黒髪が夕日で真っ赤っかになるのは美しい。心なしかその瞳も夕日の赤色に浸食されている。 少年が何を考えて...
地球を出ていこうと思いました。 地球は住みにくいと気づいたんです。訳分かんない罵詈雑言の嵐、ありもしない虚像の波、執念深い幻影。 ありふれた日常が全部私のノイズだと分かった時、...
駅前。雑然とした改札口から少し離れた路上で、ギターをかき鳴らしている男がいた。 微かなギターの音にふと仕事で疲れた足を止めてから、吸い寄せられるように男の元へ行く。彼は小さなアン...
「ねえ、海に行こうよ」 彼女がふいにそんな事を言い出した。モノで溢れたおもちゃ箱みたいな六畳間、俺がインターネットで仕事の宣伝をしている横。からかうような可愛い視線が疲れ切った俺...
よう、俺は雀の太郎。みたらし団子みたいにツヤツヤな羽根が自慢のイケてる雀だぜ。 俺は色んな家の木を転々として暮らしている。最近じゃあ、電線に留まる事もしばしばあるが、やっぱり木の...
ある昼間の喫茶店で、パシーンと私の頬が軽やかに打たれた。 「甘ったれるな!」 そう怒鳴るのは、私の親友の一人である。しなやかな細い体つきで、背丈もそれなりにあるウルフカットの彼女...