どうやらこの世界にバグが発生してしまったらしい。
人々は虫取り網を持ってバグを捕まえて回る。バグはなかなか減らない。仕方がないので政府はバグを捕まえるの止めることにしたらしい。
それでバグは街中に普通に生息している。
ちっちゃいバグを大きいバグが食べる。ノラのバグもいたらペットになっているバグもいる。
いつのまにかこの世界で共生関係になっている。
世界はどうやらバグを取り込んだ仕様に変更したらしい。
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まだ人混みに内臓をかき乱されるけど。
まだ理由のない涙が止まらない時があるけど。
私はもう独りでも大丈夫。
人と上手く話せない。人が当たり前にできることができない。
こんなこと言ったら怒られるだろうけど、もっと社会で生きていくのが中途半端じゃなく下手だったら、早く気付けたのにね。
社会の輪から外れてしばらく。
大切なはずのあなたの言葉すら、怖くて。
本当に大切なのかすら分からなくなって、私は都合良くお布団の中に逃げてしまった。
「ちょっと散歩しない?」
「こういう施設があるらしいよ」
しっかり言葉とタイミングを選んでくれたはずのあなたの優しさを
「うるさい!もう放っておいて!!」と突っぱねて、何度も口論してしまった。
あの時、もう少し自分以外の人の痛みを想像できれば。
自分の「特性」とやらを言い訳にすれば、何してもいいなんて勘違いしなければ。
あなただって、同じ。
悲しむ。怒る。
私と同じ一人の人間だって理解できていたはずなのに。
悔やむことは、燃えないゴミより溜まっている。
でもようやくなんだ。
今日も自分で洗濯をする。
今日も自分で料理をつくる。
私の生活は少しずつ再生していった。
そう、私はもうあなたがいなくても独りで生きていける。
独りでも……。
「ただいまー」
あなたの温かい声が今日も、夕暮れで赤く染まった部屋にこだまする。
私はいつもの拙い笑顔で玄関に向かう。
「おかえりなさい!」
ねえ、独りでも大丈夫だからこそ、あなたとまだ。
ううん、また生きたいって思えたんだ。
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今年は米の値段の暴落がひどい。
去年の半額の値段だ。あんまりだと思う。
そりゃ、消費者からしてみたら買いやすいかもしれないけれど、中東情勢の不安定さから原油価格の高騰でコストの方は跳ね上がっているのに。
時給換算したら農家の儲けというのは時給二百円くらいになるのだが、だったら農業をやめればいいという簡単な問題ではない。
そんなことをすれば、あっという間に田んぼだったところは雑木林になって荒れ放題になってしまうだろう。
そんな風にするわけにはいかない。
だが近所の田中さんも今年いっぱいで農業をやめると言っていた。田中さんは今年で八十歳になるのだから仕方がないと言えばそれまでなのだが。
それに今年はこの米の値段だ。
やめようか考えているという人は家の周りで田中さん以外にもいるのだ。……わからなくもない。
俺はまだいいが、専業農家の人はもっと 大打撃だろう。
ため息が出る。
農協に米をおろして家に帰るとコーヒーを一杯。
息子が『雨ニモ負ケズ』を朗読している声が聞こえた。
「雨にも負けず、風にも負けず」
俺だってそうだ。
宮沢賢治が農業大学の先生をしていた時は本当にこの詩のように頑張っていたのだろう。
子供の頃、この詩の『暑さの夏にオロオロ歩き』という言葉の意味がわからなかった。夏は暑いじゃん、と子供心に思っていたのだ。
だが大人になればどういう意味かわかる。
農業は気候に左右される。
特に東北の方だったら夏の冷夏で米が育たない。
田んぼの周りを見回りながら様子を伺う。
俺も宮沢賢治と同じように、夏にはオロオロと歩いている。
宮沢賢治がいた時代よりも俺たちの時代はずっと農業が楽になったのだろう。
様々な機械が導入され、俺みたいに兼業農家でもなんとかやっていくことができる。
だが最近の燃料費の高騰、農業をやっていた団塊世代はもう80代になる。俺たちみたいな団塊ジュニアが頑張っても日本の農業は衰退していくのではないだろうか。
ニュースでは今年の米の値段が下がって喜んでいる町の人々の声が放送されている。
俺たち農家から見れば、たまったものではないが。
「隆くん、おかえり!」
ああ、ただいま
妻が入ってきた。
「お疲れだったね!お菓子どうぞ」
俺の目の前にコトンとクッキーの皿をおく。
「ありがとう」
そう言って一つ、つまんで口に放り込む。
妻の手には農協の旅行パンフレットが握られていた。
「ねえ、今年も行かない?」
冬のスキーツアーのチラシを俺に渡す。
俺は手に取ってしばらく考えた。
毎年、妻とスキーに行くのは俺の楽しみだったりする。
いつもこの秋の米が収穫が終わった時期に申し込んでいる。
確かに家族でスキーに行くのはとても楽しみだが……
「たまには違うところでもいいんじゃないか?みゆきちゃん毎年スキーだと飽きてこない?まさるも大きくなってきたんだし、ディズニーランドとかでも」
「私、全然そんなことないよ!隆くん飽きちゃった?」
「いやそんなことはないけど。まさるも大きくなってきたんだしディズニーランドとかでも」
「ディズニーランド はさすがにちょっと人が多すぎて、私はスキーの方がいいな。それに隆くんが滑ってるところ、めちゃくちゃかっこいいもん」
妻のストレートな物言いにドキッとする。
「そうか、じゃあ今年もスキーにしようか」
俺は恥ずかしくなって新聞で顔を隠した。
「よし決まりね!じゃあ申し込んでおく!」
彼女はそう言ってパンフレットを持って行った。
独身時代からお互いスキーが好きで……
だけどこんな風に ストレートに言われると、さすがに心臓がドキドキとする。
俺は心の中で小さくガッツポーズを取った。
雨にも負けず、風にも負けず……
だが雪には勝った!
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私は気付けば、深い水底にいた。
光は全くなく、しかし周囲の様子はなぜか分かる。
ここがどこかは知らない。
私は自分が何者で、どうして生きているのかも分からない。
けれど、水は知っている。
草原を、木々を、大地を駆ける生物を知っている。
そして光を知っている。
私はどうしてここにいるんだ?
お腹が空く。
周辺にいた恐らくエビのような生物を食べる。
美味しくなかった。
珍しく魚らしきものが泳いでいたので食べた。
エビらしきものより格段に美味しかった。
ある日、大きなクジラのようなものが私を襲ってきた。
辛くも逃げることができたが、次は分からない。
途端に、恐怖が湧いた。
死ぬことへの恐怖ではない。
喰い殺される恐怖ではない。
なぜか強く求めてしまう、あの青空の美しさ。
太陽の光。
それを味わずに死ぬことが何より怖かった。
私は必死に上へ、上へと泳いだ。
全身に謎の痛みを感じる。
このまま泳げば、死ぬことを直感した。
でも私にはあの水底で何も分からぬまま死ぬことの方が、何よりも恐ろしかった。
ああ、いつ辿り着ける?
嫌だ。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
あの光はどこまで泳げば味わえる!?
――
何でもない砂浜に打ち上げられた、新種の生物の死骸。
その日のニュースはその生物で持ちきりだった。
細長い躰。
翼のような特殊な二つの背びれ。
耳と脳が異常に大きく、何より――
――眼は完全に退化していた。
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ルベット家は、海沿いの景勝地に別荘を建てた。
今日は、その別荘が完成したので、家族で内見に来ている。
崖の上に造られた街、その郊外。さらに崖を上ったところに建てられたのは、海風が色を為したような薄い青の壁の邸だ。屋根は濃紺。本邸と比べるとこぢんまりとした庭には、背の低い樹木がいくつか植えられていて、その中でひっそりと黄色の夏薔薇が咲いている。
馬車から降りて別荘の正面を見たルベット家の一人娘のキーラお嬢様は、大きな目をまんまるに見開いて邸を見上げていた。可愛らしい庭も見事だと思うが、キーラは特に、ドールハウスのような様相の邸が気に入ったようだ。アリエッタが声を掛けるまで、ずっと青色の建物を見上げていた。
「素敵……。本邸もこうだったら良いのに」
アリエッタは、キーラの家――使用人のアリエッタにとっては、職場――を脳裏に思い浮かべた。歴史ある風格が漂う本邸は、灰色の重い石を積み上げた重厚な造りだった。奥様の手によって庭も内装も華やかにされて重苦しさはないけれど、可愛らしさには欠けている。まだまだ子どもと呼ばれる年頃のキーラが気に入るのも道理というものだろう。
邸の中もまた、整然として爽やかな印象だった。壁紙は外と同じような薄い青。床は白。浅い海の底のよう。キーラはいっそう目を輝かせて、両親の許可を得る前に、邸の奥へ奥へと進んでいった。まだ何も置かれていない室内だが、間取りにおおよその見当はつく。入口から一番近い部屋は、応接室。一面に大きな窓が張られた見晴らしの良い大きな部屋は、ダイニングルーム。その隣には、白いタイルで覆われたキッチン。ダイニングルームに併設されている硝子張りの部屋はサロン。廊下を出て奥の方にあるのは、旦那様ご希望の遊戯室だろう。
「すごい……すごい!」
部屋を一つ回るごとに、ここでの生活に思いを馳せたのか、キーラは胸の前で手を組んで夢見るような表情を見せた。頬はすっかり紅潮している。
使用人部屋も見て回る。最低限の家具しか置けない広さでキーラは不満そうだったが、他と同じく明るい雰囲気で狭苦しさを感じさせない造りが、アリエッタは気に入った。
「ねえアリエッタ、私たちこれから夏が来るたびに、ここに来るのよ!」
一階部分を一周回って解放的なエントランスに戻ってきたキーラは、まるでアリエッタに自慢するように手を広げてみせる。アリエッタを見上げる目には星が宿っているかのようにきらきらと輝いていた。
「ええ、そうですね。次の夏が楽しみです」
ただ、アリエッタとしては、難点が一つあった。床が白い故に汚れが目立ち、掃除が大変そうだということ。いや、床だけではない。アリエッタはまだ搬入されていない家具を頭に思い浮かべる。この壁紙に合わせるなら、什器も間違いなく白だろう。埃は目立ちにくいかもしれないが、シミの類には気をつけなければならない。ルベット家のメイドは、オールワーク。お嬢様のお世話係のアリエッタも、掃除は他人事ではない。
「さあ、二階も行きましょう!」
巻き貝のような螺旋階段を前にしたキーラは、より一層張り切っている。なにせ、奥様から『好きな部屋を自室にして良い』と言われているので。
二階は、北側の中心にある階段からまっすぐ東西に廊下が伸びて、南に向かった部屋が四つ。一番西の部屋は海と街が見下ろせて、一番東の部屋は街の代わりに斜面に広がるみかん畑が望めた。間の二つが望めるのは海だけだったが、その分部屋は広く、バルコニーが付いている。どの部屋も眺めは最高。
悩みに悩んだキーラが選んだのは、海だけを望める中央東の部屋だった。見渡す限り海、というのが気に入ったらしい。東側なのは、みかん畑の方面の部屋が両親の部屋になるだろうと見越してのこと。
「やっぱり、お客様には、眺めのいい部屋を提供しなくちゃね」
客間も用意することを聞いていたキーラは、女主人を気取っているらしい。自分が一番気に入った景色を、お客様に譲ったつもりなのだ。背伸びした台詞がおかしく、アリエッタは密かに笑う。
「それでね、ここにはねぇ――」
自室予定の部屋を駆け回り、キーラは夢を語った。ベッドはここに。お姫様のように天蓋をつけて、シーツの色はマリンブルーで。
ドレッサーはこちらに。チェストはあちらに。その上には、お気に入りの人形たちを置いて。
部屋の中央には小さくて丸いテーブルを。バルコニーにもテーブルを置いて、潮風を浴びながら毎日お茶するの。
いつの間にかキーラの両親も来て、にこにこしながら娘の計画を聴いていた。お嬢様は部屋の真ん中で幸せそうに笑っている。
まだ空っぽの家の中は、キーラが持ち込んだ夢に溢れていた。
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仕事が終わり、帰宅をした。
黒い冷蔵庫を開ける。
彼女と家電量販店に行った時の冷蔵庫。
二人暮らしにちょうどよく気に入っている。
「あ、なにこれ。おいしそう」
入れ物の中には、おいしそうな鮭が入っていた。
「あれ、こんなの作ってたっけ」
冷蔵庫から入れ物を取り、レンジで少しだけ加熱する。
「わ、いい匂い」
蓋を開ける。
少しだけの加熱だから煙は出ない。
見た感じ、温かいかわからない。けど、鮭を一口。
「あ、塩レモンだ」
彼女は、昔からほぼ毎日料理をしている。
仕事で大変なのに、作るのは、好きらしい。
彼女は笑いながら「料理は趣味」と言っている。
ドアが開く音がした。
控えめな音。彼女らしいドアの開き方。
「ただいまー」
彼女が帰ってきた。
「おかえり。これおいしいね。作ってくれてありがとう」
彼女の顔を見る前に大きな声で玄関に向けて声をかける。
「どれのことー?」
カツン。
彼女が玄関でパンプスを揃えている。
「この鮭のやつ」
「鮭?鮭なんか買ってたっけ?」
「仕事帰りに買ったんじゃないの?」
「いや、まだ高いから買ってないよ」
心当たりがないらしい。
軽く首をかしげたまま、リビングへ入ってくる。
「なにこれ?」
「だから、鮭の塩レモン焼き?」
彼女は食べかけの鮭を見つめている。
「私作ってないよ」
彼女が食べかけの鮭を一口。二口。
美味しかったらしい。
「え?いやいや食べたらだめだよ!」
「でも、美味しいし」
「とりあえず、窓鍵かかってるかな」
私は、鍵がかかっているか確認をした。
「特に問題なかった」
「じゃあ、鍵交換と警察だね」
普段通りの声色でいう彼女。
――――
鍵交換。警察への届け出が終わって数日。
仕事が終わり帰ってきた。
「あ、ポテトサラダがある」
彼女が帰ってくるまで、まだ時間がある。
少しだけ食べよう。
「美味しい」
顔の筋肉が緩む。
「ただいまー」
「おかえり。ポテトサラダおいしいね」
「え?」
彼女が速足でリビングに来る。
「私作ってないよ」
「嘘……」
彼女が考えこんだ。
たまに見る、何かを真剣に考えている顔。
「次は何が入っているかな?」
真剣な顔なのに、言っていることは呑気だった。
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「ねぇ、覚えてる?」
絞り出された|麻衣《まい》の声は、髪や涙と一緒に強風に流されそうだった。
「僕には君が必要だって。傍にいてくれって言ったのに」
「覚えてるよ。今だって気持ちは変わってないよ」
|和己《かずみ》が一歩前に出ると、麻衣も一歩後ろに下がった。鉄の足場がカツンと響いた。
「麻衣。頼むから落ち着いて」
「いや。来ないで!」
和己が差し出した手を、麻衣は両腕を胸に抱く事で拒絶した。
「私嬉しかった。かず君を守りたいって思った。それなのに接待だとか仕事だからとか。いっつも私は家で一人! 一緒になっても一人の時間が多いなら、ずっと一人のままの方が良かった!」
和己は唾と一緒に言葉を飲み込んだ。今「仕方ない」なんて口にしてしまえば、麻衣は身を投げ出してしまう。乗っている足場には、もう後がない。
和己の言葉を待つかのように風がやんだ。
「僕が悪かった。努力する、いや変えてみせるから。お願いだ。落ち着いてこっちに」
運命の出会いでも、積み重なる|僅《わず》かなスレ違いが、ほころびを生んでしまう。それは些細な切っ掛けでぼろぼろと|解《ほつ》れてゆき、偶然の出会いへと変わってしまった。
「僕が悪かった。努力する、いや変えて見せるから。お願いだ。落ち着いてこっちに」
麻衣は手を伸ばした和己の瞳を、その中の熱意を測るかのように見つめ返した。
「かず君……。あっ」
胸に抱いていた両腕を解いた麻衣が突風に煽られた。
「麻衣ー!」
「きゃーー!」
和己は欄干から身を乗り出し目一杯腕を伸ばした。しかしその手は悲鳴だけを掴み、麻衣の姿は空中に消えてしまった。
**********
「もういいですか。次のお客様お待ちなので」
「あ、はい」
麻衣が立っていた足場の手前に居たツナギ姿の男性が、慣れた感じで和己にセイフティーエリアから退くように促した。和己は素直に欄干から体を離し出口通路の先へと向かった。
大人しく引き上げられた麻衣は、出口へ駆け出すと和己に抱きついた。
「先輩なんなんです?」
ワイヤーロープを絡まないように束ねる青年が、熱い抱擁を交わす二人を見ていった。
問い掛けられたツナギ姿の男性は、ハーネスの点検をしながら鼻を鳴らした。
「東京から来る、ぶっ飛んだカップルだよ。喧嘩したら飛び降りのシミュレーションで互いの大切さを確認するんだと。ただの趣味レーションとしか思えないけどな。いい加減セリフも覚えたわ」
「毎回やるんですか、あれ!」
「誰かが動画あげてバズったとかで、今は3パターンあるよ」
「先輩……。お疲れ様です」
青年の哀れんだ瞳に、ツナギ姿の男性は「おう」とだけ応えた。
和己と麻衣の行動が、バンジージャンプ施設スタッフがお客様に許せるボーダーラインだった。
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奴は親友である。几帳面で、細々したことに気づき、ピンチでも明るく、失敗を恐れない。美点は幾らでも挙げられる。十年も共に幾多の戦いをかいくぐった仲だ。だが、顔を見たことも声も聞いたことはない。戦場を離れて久しいが、今朝もメッセージが届く。「やあ、ギルマス。昨夜の最新話、見ました?」
続きを読む
「グロリアどの! いずこに?」侍娘のアヤメから、あたいは必死に身を隠した。女だけの傭兵団、そんな関係もあるけど覚悟できていない。しんがりを務めた戦いで、彼女に言われたんだ。「月が、綺麗ですね」分かるかよ、求婚の言葉だなんて。ただ戦士らしく答えただけさ。「ああ、死ぬには良い夜だ!」
続きを読む
竜騎士にとって、飛竜をねぎらって可愛がるのは当然の行為だ。翼やあごを撫でることで、彼らの士気を高める。でもね、求愛の舞を見せられても困るのよ。種族違いじゃん。そもそも、君は雌で私は女だし。そう言ったら、キュイキュイ鳴きながら首をこすりつけてくる。これ、マーキングされているんじゃ?
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