夜空の散歩者 / 恋は、お熱く
「たまには、あなたから注いでくれてもいいのよ? ふふ。冷たいんだから」 グラスを傾け、あなたと交わす他愛のない会話。この時間が一番幸せでいられる。 「課長が新人に優しいのはいんだ...
見つけてくださり、ありがとうございます。 細々と書きたいものを書いております。 某サイトのコンテストで受賞歴などありますが、なにより読者さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。 隙間時間にショートストーリーをお届けいたします。
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「たまには、あなたから注いでくれてもいいのよ? ふふ。冷たいんだから」 グラスを傾け、あなたと交わす他愛のない会話。この時間が一番幸せでいられる。 「課長が新人に優しいのはいんだ...
カーテンを一度も開けたことのない窓から陽がさしていた。そしてキッチンから朝を告げる音と香りが届いてきた。 「懐かしいな」 つぶやきながら起き上がりリビングへ向かった。母親以外...
「ねぇ、覚えてる?」 絞り出された|麻衣《まい》の声は、髪や涙と一緒に強風に流されそうだった。 「僕には君が必要だって。傍にいてくれって言ったのに」 「覚えてるよ。今だって気持ち...
「なんだったけ?」 私の手には、前に探していた不揃いになったトランプのカード《《ハートの2》》が握られていた。 たしかタロットカードの小アルカナ、《《カップの2》》がその起源。...
《中三の夏》 中学生活最後の夏休みが半分すぎた頃。幼稚園からの親友、|琉生《るい》からメッセージが届いた。 『知ってるか? |結愛《ゆあ》ちゃんが死んだって。病気で』 結愛ちゃん...
デートでは無口なあなたも、枕で向かい合うとおしゃべりだった。そこに嘘偽りはないと思ってた。 でも、それは誰かに見せられない分だけ。私が知っているのは、誰かが知らない一部分。...
部屋の電気を点けるのさえ久し振りのように思えた。しばらく洗面台で生気のない男とにらめっこをしてから髭を剃った。 部屋に戻るとエアコンを切り、全開にした窓から頭を出して空を仰いだ...