有賀慧 / 剣鬼と呼ぶしかない
剣聖ディアスといえば傭兵で知らぬ者はいない。だがヤツも初老になり、いまはさる貴族令嬢の護衛に収まっている。そこで俺達は数を頼んで闇討ちしたが……聞いてねえ、なんだあれ。剣聖様をかばっ...
百合ファンタジーをメインに書いています。140字ショートショートは毎日更新!
剣聖ディアスといえば傭兵で知らぬ者はいない。だがヤツも初老になり、いまはさる貴族令嬢の護衛に収まっている。そこで俺達は数を頼んで闇討ちしたが……聞いてねえ、なんだあれ。剣聖様をかばっ...
チャットに新着通知が届く。姉からスタンプが来ていた。「向かっています!」を目にして、ついついため息が出る。可愛い妹をずいぶん待たせたじゃない。ぼやきながらも、涙がぽろぽろ流れてしま...
「お大事にね」保健室まで付き添った友人が去り際にひと言残す。ベッドにいる私は布団を被って、うなって返事をした。養護教諭の先生がため息まじりに言う。「貴女と同じで可愛い女の子ね。さし...
ハッキング騒動で世間が騒がしい。会社の朝礼での注意に、私は肩をすくめた。「これだけ流出してたら、全部知られているようで気味が悪いわ」「あら、そうですか?」隣の席の新人がそっと囁く。...
「あー、またリップ変えてるな?」友人に指摘されて私は苦笑した。「後輩たらしの悪人め」口さがない彼女に肩をすくめる。リップのテイストで記憶を印象づけたい。装うのは精一杯の誠意よ。あの...
「あんた、ベリータルトが好物だっけ?」ケーキ屋へ一緒に行った友人が首をかしげる。わたしは言葉を濁して曖昧に笑んだ。「最近、ちょっとね」顔が赤くなっていないか心配だ。だって、言えるわ...
飲んだくれている俺の耳に、テレビの音が聞こえてくる。くそいまいましい、どのチャンネルも祈りだらけだ。夜なのに窓の外は赤く明るい。暴徒の焼き討ちだろう。「なにもかも、あの月のせいだ」...
俺らの稼業は借金の取り立てだ。一緒に組んでいる兄貴は「観音サマ」とか呼ばれてる。穏やかな笑みで物腰は柔らかく、暴言は使わない。だというのに、今日も店主がきっちり払ってきた。秘訣があ...
伯爵が密室で殺された。捜査に来た紋章官は悪魔崇拝の証拠を発見する。事情を知らぬ夫人と令嬢は内密の処理を願った。さて報告を受けた上司が問う。「おい犯人はどうしたんだ」「悪魔との契約は...
「勇者殿、また月を見ておいでか」同行の賢者が髭を撫でつつ、声をかけてくる。「ええ、美しい」僕は焚き火に薪を放り込んだ。「いずれはこの足で、と」「はは、気宇壮大であられる」火がはぜて...