ホラー・怪談
177文字 約1分で読了

顔のない男

「スマホ落としましたよ」 そう言ってスマホを渡した相手の男は顔が無かった。 ……あぁまたか。 男は横断歩道を渡りきったところで車に轢かれビチャリと俺の足元に手首が転がる。 顔のない人間の姿を見たらその人物は近々死んでしまう。このように死ぬ人間を何度見ただろう。 家に帰って扉を開く。 壁一面に人の顔。 おそらく昼間の男もいるのだろう。 煙草を吹かせばうめき声が聞こえる。
続きを読む
作者:しとえ
2026/09/22 • 👁 94回 • 💬 0件
ポエム・詩
101文字 約1分で読了

フラットなあなた

あなたはいつも 普通。 仕事で怪我をして 帰ってきても 嫌なことが あったとしても 豪雨のなかの運転も。 どこにも見当たらないんです 弱音が。 私はあなたの弱音も 聞いてみたくて 何も言われなくても ヨシヨシしてしまうのです。
続きを読む
作者:柊ことは
2026/09/22 • 👁 85回 • 💬 0件
ポエム・詩
228文字 約1分で読了

不穏な卵

半年前は 何もなかったと思う。 あなたとの時間は 平和そのもので 疑うなんて1ミリもなかった。 でも 最近 「ん?」なことが増えた。 スマホの通知をスルーしたり 少し帰る時間が遅かったり 特定の人との話とか。 辻褄が合わないこととかね…。 そんな あなたからこぼれる 不穏な卵を集めながら 温めて 別れようと言われるのを待ってる。 私ね 自分から別れをきり出すのって 嫌なのよね。 悪者になったみたいで 後味悪いでしょ? きっとあなたのことだから そろそろ 言ってくると思うよ。 ほら。 『疑惑のたまご』より
続きを読む
作者:柊ことは
2026/09/22 • 👁 82回 • 💬 0件
児童文学
352文字 約1分で読了

ぎわくのたまご

おにわに おちてた たまごが1つ。 これは なにの たまごだろー? ニワトリさんかな?  それとも おそらを とんでいた、  おおきな おおきな とりさんかな? あたためたら ひよこが うまれるかな? うまれたら いっしょに おにわを おさんぽしよう。 とっても カラフルなたまご。 これは なにの たまごだろ? トカゲさんかな? かめさんかな ? 「がぉー!」 もしかして きょうりゅう かな? うまれたら いっしょに だいぼうけんに でかけよう。 おうちに もってかえって ベッドのなか。 たまごを だいじに あたためます。 ゆめのなかで たまごから、 にわとりさんも おおきな とりさんも かめさんも トカゲさんも、 きょうりゅうさんも でてきて みんなで いっしょに だいぼうけん。 あらあら まみちゃん、ねちゃったの? ママがそっと おフトンを かけてくれました。 みんな いっしょに すや、すや、すや。 おやすみなさい。
続きを読む
作者:しとえ
2026/09/22 • 👁 93回 • 💬 0件
ミステリー・サスペンス
831文字 約2分で読了

二時間半の移動?

「はぁ……どうやって、別れよう」 私はコーヒーカップを口に付けたまま、友人に相談する。 「じゃあ、練習する?」 友人はいつも通り、軽い口調で返事をした。 「いいの?」 「もちろん」 私は背筋を伸ばして、意を決して言う。 「ねぇ……別れてほしいんだけど……」 「なんで?」 「ちょっと……他に好きな人ができた」 「知ってるよ。でも、あなたは私のこと好きだよね?」 目が丸くなった。 「いや、これは言う練習だよ?」 友人は私の目をまっすぐ見て答える。 「でも、彼女は何言うかわからないよ?」 友人がレモネードを飲みながら言う。 確かに。 「そもそも、あなた彼女のこと大好きでしょ」 「まぁね……でも遠距離だし」 「なに言ってんの。たったの片道二時間半じゃん」 「でも、頻繁に会えないし……寂しい」 友人は明らかに冷めた目で私を見る。 私がわがままなのは分かっている。 「はぁ……まぁいいや……付き合ってられない。私は帰るよ」 「うん、ありがとう。また何かあったら連絡するね」 ふぅ……。 鍵を開けて、ヒールを脱いで、家に入る。 あれ? 今日は彼女との電話のはずなのに、電話が来ない。 私から電話しようかな。 ……と思ったところで、着信が鳴った。 私は電話に出た。 「もしもし?」 「もしもし、今大丈夫だった?」 「うん」 「電話に出てくれてありがとね、いつもより遅くなっちゃって」 「大丈夫だよ、どうしたの?」 「あ、ごめんね。お風呂上りで髪を乾かしてて。そろそろ美容院行こうかな?」 何気ない会話が続く。 お昼の出来事が、かすかに脳裏をかすめる。 今だ。 「ねぇ……別れてほしいんだけど……」 「……なんで?」 想定内……想定内……。 呼吸を整えて、私は言う。 「ちょっと……他に好きな人ができた」 「知ってるよ。でも、あなたは私のこと好きだよね?」 「あれ? あなたの好きな飲み物なんだっけ?」 何も考えずに言葉が出た。 「レモネードだって言ったら、あなたはどうする?」 その言い方は、昼に聞いたのとまったく同じだった。  問い  あなたは、この人たちをどう思いましたか?
続きを読む
作者:ReiN.
2026/09/22 • 👁 89回 • 💬 0件
SF・ファンタジー
482文字 約1分で読了

今日、明日、明後日

ある朝、公園のベンチでのんびり太陽の光を浴びていると、見知らぬ子供に話しかけられた。 「あなたは今どこにいるんですか?」 「ここにいるけれど」 「そうですか。じゃあ明日は? 明後日は? どこにいるのでしょう?」  突然降ってきた不思議な問いかけに首を傾げつつ、私は穏やかに笑って子供へと言った。 「きっとここにいるよ。ままならない人生を送ってはいるけれど、明日も明後日も、私は変わらずここにいるだろう。私はこの身を投げ出したりなどせず、ここで踏ん張って生きていくつもりだ」  私の誓いは固いものだった。今までに人生を幾度となく投げ出したくなった事もそりゃある。けれど、どうせ人生なんてものは所詮神様からの借り物なのだから、みっちり隅々まで使い切ってから返そうとつい先日思い直したのだ。  今日の朝日もまた、私に「人生を使い切るための活力」を与えてくれている。これらを子供に説明するのは少々難しいなと空を見上げ、ふとまた子供のいた場所に視線を移せば、その子はもういなくなっていた。  私の答えに満足したのか。はたまた全てが私の幻影だったか。どちらとも分からぬまま、朝日が独りの私を満たしていく。
続きを読む
作者:ころもやぎ
2026/09/22 • 👁 94回 • 💬 0件
SF・ファンタジー
1726文字 約4分で読了

天才外科医

 ほんの少し前の話。  とある町に天才的なオペ技術を持つ医師がいた。普段は腰が低く温和な彼だったが、メスを持つと目つきが変わり、どんなに難しい手術も、通常より短い時間であっさりと成功させてしまう。彼の技術は今までに何百人という命を救ってきた。そのため彼は、治療した患者はもちろん、その家族、町の人々、国中の人々、果てには世界中の人々から賞賛され、厚く尊敬もされた。  ある時は、あらゆる医師がさじを投げた大手術を見事成功させた。またある時は、どこかの国の大統領が彼の噂を聞きつけ、手術を見学に訪れた。さらに小説や映画の題材にもなった。彼のいる病院は「聖(生)なる病院」と謳われた。  その上彼は容姿が端麗だった。あらゆる女性たちが彼のような男と結婚することを夢見た。金も地位も名声も手に入れた眉目秀麗の彼には、何の欠点もないように見えた。  しかし、完璧な彼にも一つだけ欠点があった。  運転が苦手なのだ。メスを持つと一流の男も、ハンドルさばきだけは五流以下だった。免許を取ってから一年の間に二度の事故をした。二度目の事故は人身事故となり、行政処罰も受けてしまった。それ以降、彼はバイクを運転することはおろか、車の運転もしないことにした。幸いにも金だけはある。遠出するときは運転手を雇うことにした。  彼の元には、何度か大都会の有名病院からスカウトが来たことがある。超医療先進国である国からもスカウトがやってきた。しかし彼は地元を愛していたため、勤務地を変えることはなかった。  また、彼は基本的に頼まれた仕事を断わらなかった。命を誰よりも大切にしていたし、自分以外の人間に難手術はできないだろうという自負があったからだ。どうしても彼の病院に来れない重病患者は彼の方から出向いたし、時には現地の医師に電話でアドバイスもした。  それから何年も経ち、医療技術は大きく進歩した。以前は難手術と言われていた手術も、ある程度技術のある医師なら成功させることができるようになった。  彼がもてはやされる時代は終わった。  もうテレビに出演することもなくなったし、新聞に特集されることもなくなった。しかし、真面目な彼はそれでも多くの命を救い続けた。「聖(生)なる病院」は未だ健在だった。  数年が経ち…。  ある日、新聞の一面に彼が掲載された。  表題はこうだった。  「有名天才外科医、手術失敗。今年になり三人死亡!」  このニュースは医学会を揺るがす大ニュースとなった。何しろ、ここまで医療技術が発達した時代に、手術のミスで三人もの命がなくなったのだ。しかも、失敗した医師はあの天才外科医。このままでは医療の信用問題に関わる。彼の病院は「聖(生)なる病院」から「死の病院」と揶揄されるようになった。  そうなると、医師連盟は黙っていられない。医師連盟は即、調査団を彼の病院に送った。  調査団の一人に彼と同じ町出身の医師Aがいた。Aは彼の手術ミスを信じていなかった。何しろこのAが医師になろうとしたきっかけは、彼を尊敬していたからだ。  「まさかそんなはずはない」  そう自分に言い聞かせて、この報道が誤報であることを祈りながら、Aは彼の所属する病院へ足を運んだ。  調査団はまず、彼が三人の命を落としてしまった手術室を調査した。手術室は最新の医療機器が所狭しと並んでいた。手術を手伝った看護師の話によると、三回とも同じ機器を使って手術をしたということだった。Aはすぐその機器を調べることにした。  この頃になると開腹手術や開胸手術、つまり大きく体に傷をつける手術は流行らなくなっていた。そこに置いてある機器は、患者の体に小さな穴を開け、そこから小さな治療器具を入れる、今ではありふれた機器だった。この機械を使えば、医師は直接患者の体に触れることはなく、モニターを見ながら機械を遠隔操作するだけでいい。実際に患者に巣つくう病巣を取り除くのは、ロボットアームだ。  確かに、医学も発展し手術ミスも以前に比べ、格段に減少した。だが、この機器だと彼の本領は発揮されることはない。Aはなんだか悲しくなった。  Aはおもむろに、機械の操縦桿に触れた。  その時、Aは気がついた。  形こそ車と違えど、その機器を操作する操縦桿は、まさしくハンドルと形容できるものだったのだ。
続きを読む
作者:毎日休日
2026/09/22 • 👁 86回 • 💬 0件
SF・ファンタジー
679文字 約2分で読了

箱庭の君

放課後、夕日が沈むのを見ながらファミレスでパフェを食べる学生が一人いた。彼の黒髪が夕日で真っ赤っかになるのは美しい。心なしかその瞳も夕日の赤色に浸食されている。  少年が何を考えているのかうかがい知れない。無心でパフェを食べているのか、それともこの世界が瞳を閉じて眠る事に心を躍らせているのか。「作られた明日」を憂いているのか。  人のほとんどいないファミレスで、彼は黙ってパフェを食べ続ける。その落ち着いた佇まいは、さしずめ機械仕掛けの人形のようだった。  器が空になる頃に、少年は静かに席を立って店を出る。夕日はまだ沈んでいない。交差点に差し掛かり、赤信号で彼が立ち止まる。家に帰るのだろう。夕日はまだ沈んでいない。彼が帰るのには丁度いい仄暗さだ。 「今日も楽しかったですよ」  少年がポツリと呟いた。独り言のようで、独り言ではない。少年は空を見上げ、しっかりと「こちら」を見据えて笑った。 「貴方の方はどうですか?」  問いには答えなかった。彼の爛々とした瞳は、全てを見通しているようで怖かったから。まるでこの箱庭を知り尽くしているかのような、「私」の中の虚像を見透かしているような、夕暮れの瞳。 「また会いましょうね。たまにはドリンクバーくらい奢って下さいよ」  信号が青になった。少年は歩き出し、私から意識を逸らしていく。私を忘れていく。そして、思い出したようにまたこちら側を覗いてくるのだろう。空想の中なのに、彼だけはいつだってその輪郭をはっきりさせていた。  夕日が沈んでいく。目を閉じる。少年がいなくなる。意識が溶ける。また、彼の放課後を勝手にでっち上げてやろうと、目論んだ。
続きを読む
作者:ころもやぎ
2026/09/21 • 👁 79回 • 💬 0件
SF・ファンタジー
700文字 約2分で読了

地球を出て行こうと思いました

地球を出ていこうと思いました。  地球は住みにくいと気づいたんです。訳分かんない罵詈雑言の嵐、ありもしない虚像の波、執念深い幻影。  ありふれた日常が全部私のノイズだと分かった時、この地球から出ていくことを決意しました。  私はリュックにお気に入りの本一冊と、ノートとペンを詰め込んで六畳間を抜け出します。朝方の、絵の具を溶かしたような朝焼けが綺麗でした。これを見るのも、きっと最後でしょう。  私は走り出します。住宅街を走って、宇宙船の隠してある公園まで超特急。公園は勝手に工事中にしてあるから人は入れません。  公園に辿り着き、工事中の紙を貼った三角コーンの結界を抜けて宇宙船へ乗り込みます。昨日買ったコンビニのドーナツを頬張りながら、手際良く宇宙船を操作。心地良い感覚、まるで私だけが主人公みたい。  宇宙船が飛び始めます。朝焼けが透明な宇宙船と混ざり合います。もうお別れだ。ハッキリ感じて、私は小さく息を吐きました。  さようなら、は口から出ませんでした。飛び立つ時、街が遠くなる時、私は寂しさよりも清々しさを感じました。  途中の宇宙でスマホは捨てました。もう小さな箱庭は必要ないからね。これで、私は自由でしょう。  宇宙船は、平常通りぷかぷか泳いでいます。私は遠く離れた青い星を見ながら、お互いにその存在を早く忘れましょうねと、分厚い窓をなぞりました。  お互い、早く忘れましょう。もう、思い出さないくらい遠くへお互いに行きましょう。私達は、何処まで行っても他人なのですから。宇宙の果てでもそれは変わりません。  きっとこれからも、地球は丸く、青く、窮屈です。私はそれを、遠くから見つめるだけの存在として、この宇宙を彷徨うのでした。
続きを読む
作者:ころもやぎ
2026/09/21 • 👁 80回 • 💬 0件
ポエム・詩
61文字 約1分で読了

秋の足音

秋空に 柔らかくなった太陽が 燦々と。 足元には カサッと落ち葉が。 また空を見ると すじ雲。 葉が色づくまで もう少し待ってるね。 秋麗。
続きを読む
作者:柊ことは
2026/09/21 • 👁 114回 • 💬 0件