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転がる輪郭
500文字
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夕暮れの道を君と二人で帰る。
見てよ一番星
君にそう言われて空を見上げれば、金星が輝いていた。
三日月のすぐそばで。まるで小さな月のかけらみたいだ。
太陽の光がゆっくりと街を巨大な影絵に変えて沈んで行く。
月の光はだんだんと強くなっていくように感じた。
「すっかり暗くなっちゃったね」
「うん」
「まあ、文化祭の準備で忙しかったから」
そう言って君は笑う。
君の輪郭が、ほんの少し暗くなってゆく情景の中で見えなくなっていくような気がした。
「最近、日が沈むのが早いね」
「本当だね。あっという間に沈んじゃう」
地球の自転スピードは変わらないはずなのに、秋の夕暮れは日が沈むのが早い。
きっと夕暮れが早く感じるのは、季節の移ろいを早く感じるから。もっと長く君といたいのに、すっかり暗くなってしまって君とお別れしなくちゃならない。
地球の自転がもっとゆっくりだったらいいのに。
君の輪郭がずっとはっきりと見えていたらいいのに。
君もまた影絵のように、暗闇の中に溶けてゆく。
暗がりの中で 君の顔がよく見えなくなってしまう。
「じゃあね、また明日」
「じゃあ、また」
僕と君は駅前で別れる。
街灯の明かりがジジッと、音を立て灯る。
――夜の帳が降りた――
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