aoiaoi / じいちゃんずラブ
「なあ、お前覚えてるか? 高校時代、あと一勝すれば甲子園だったあの試合」 「忘れるわけなかろう。逆転のまたとないチャンスだったのに、4番の中山のやつがあの時綺麗に空振り三振で討ち取...
いつも何か書いていたい、創っていたいひとかもしれません。 どうぞよろしくお願いします。
「なあ、お前覚えてるか? 高校時代、あと一勝すれば甲子園だったあの試合」 「忘れるわけなかろう。逆転のまたとないチャンスだったのに、4番の中山のやつがあの時綺麗に空振り三振で討ち取...
僕が彼女と出会ったのは、100均の棚だった。 彼女は、たくさんのカラフルな時計たちの中から、どういうわけか何の洒落っ気もない黒の目覚まし時計を——僕を、選んでくれた。 嬉しかっ...
私は、ピアノ。 村はずれの小さな家の、小さな部屋に住んでる。 私の主人は、私を深く愛してくれた。 その指を駆使して——私の声を通して、数え切れない愛を叫んだ。 やがて...
ある夜。 薄い雲をかき分けた向こうにある、こじんまりとしたカクテルバー。 柔らかい照明の灯った仄明るい店内。座っている客は皆それぞれに押し黙り、静かにグラスを呷っている。 ...
4月1日。 桜の花びらが、風に吹かれて自室の窓を舞い踊るように横切っていく。 終わってしまった。俺の高校生活が。 なんでこんなにもあっという間なんだろう。 花弁を散らす...
ふと、薔薇を買いたくなった。 深い紅色の薔薇を、一本買った。何本も買うほどの経済的余裕はない。 人に贈るためじゃない。絵を描くためだ。 部屋の隅に転がっていた酒の空き瓶を...