河内謙吾 / なにかいる
蒸し暑い熱帯夜だった。 エアコンは22度に設定されているはずなのに、室内の空気は澱み、肌にじっとりと嫌な汗がまとわりつく。 都内の古いワンルームマンションに引っ越してきて...
宇宙好きが高じて主にSF作品を書いています。 修行中のため、コメントでジャンル、タイトルくれたらそのショートショートを書きますよ☺ よろしくお願いします。
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蒸し暑い熱帯夜だった。 エアコンは22度に設定されているはずなのに、室内の空気は澱み、肌にじっとりと嫌な汗がまとわりつく。 都内の古いワンルームマンションに引っ越してきて...
メロスは激怒した。必ず、あの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。 ……のだが、その決意はシラクスに到着してわずか三秒で挫折していた。 「おいメロス! 動くな! 一...
三月の終わり、夕暮れ時の千歳烏山駅のホームは、どこか落ち着かない空気に包まれていた。 春の温い風が、線路沿いの錆びたフェンスを揺らし、どこか遠くで誰かの笑い声が響いては消え...
A:この間さ、夜中に小腹が空いたから近所のコンビニに行ったのよ。 B:夜中のコンビニはつい行っちゃうよな。肉まんとか買いたくなるし。 A:そうそう。でさ、レジに商品持って行っ...
スマートフォンが、短い振動を返した。 画面に表示された時刻は、午前一時四十二分。会社からの帰路、人気のない夜道を歩いていた香織は、小さくため息をついて画面をタップした。...
「ただいま、お母さん! 今日のタケル探偵は、とっても難しい事件を解決したんだよ!」 夕方、リビングのドアを勢いよく開けて、1年生のタケルが飛び込んできました。 背中の大き...
天正十年六月二日、未明。 京都・本能寺は、静寂に包まれているはずだった。 「……ん? 何やら、妙な音が聞こえぬか」 寝所に敷かれた布団の上で、織田信長は薄らと目を開けた。...
「ねえ、お母さん。どうしてこのクレヨンは『あか』じゃなくて『あかねいろ』って書いてあるの?」 夕飯のあとのリビング。よく使い込まれた12色のクレヨンを広げて、6歳のハルが不思議そ...
静寂に沈む 無限の闇を渡り 揺らめく星の残響が 時を超えて響く 答えを持たぬまま 探し続ける影 その足跡さえ 光に溶けて消える 遠ざかるものと 迫りくるものが ひとつの呼吸で 結...
僕が宇宙を好きになった理由を誰かに尋ねられるたび、口をついて出る明確な答えはない。ただ、ずっと昔から、夜空を見上げるたびに胸の奥が静かにざわついた。 そのざわめきは不安ではなく...