なつのあゆみ / 一人でパフェを食べる
私は一人でパフェを食べられない。 一人で喫茶店に行き、ケーキセットを食べて読書をするのは好き。でもパフェを一人で食べるのは気恥ずかしい。 智美はパフェに付き合ってくれる。...
色々なジャンルのショートショートを書いています。3000文字前後のストーリーに愛を込めてます。 よろしくお願いします。
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私は一人でパフェを食べられない。 一人で喫茶店に行き、ケーキセットを食べて読書をするのは好き。でもパフェを一人で食べるのは気恥ずかしい。 智美はパフェに付き合ってくれる。...
深夜の音楽室で、幽霊がビートルズを弾いていた。 しかも、全身タトゥーの坊主頭だ。 僕は二十三歳まで幽霊なんて信じてなかったけど、これはさすがに無理だった。 そいつはつる...
真冬に熱々のエスプレッソが湯気を立てる。カウンターで受け取ったテイクアウトの客は、すぐに店を出ない。 「今日もいい匂いですね。私、ほんとコーヒー豆の匂いって好き。特にここの...
真夜中の蓮池に、美しい顔が浮かび上がる。 うるおった白い肌に大きな水色の瞳、黒いまつ毛は三日月と同じ角度だ。 蓮と同じ色の唇が、開く。 「水が欲しい、水、水が欲しい」...
幸福な死に顔に、俺は納得できなかった。 ——あいつは、笑って死んでいた。 すぐに喪服をクリーニングに出した。 親友の葬儀の臭いを消したかった。 同じ団地育ちの親友――奴が消...
月は形を変える。それは月を太陽が照らしているから、と学んだ時は嬉しかった。 暗い夜に浮かぶあの大きな満月は、一人ぼっちではない。 太陽と触れ合っているんだ。 トーマは大...
研究室は冷蔵庫のようだった。機械だけが低く唸り、人の息を寄せつけない。 職場に慣れた頃、僕はある異変に気づいた。 同僚で大学からの友人、三島葵が深夜まで地下室にいること...