寵鵜 / 時を喰む箱、あるいは浦島太郎
亀を助けたのは、本当に善意だったのか。 太郎は竜宮城で、何度もそれを考えた。 ただ、あの助けを求める亀の目が――人間のそれと同じだったから、気味が悪くて、銭を払ってでも逃れた...
普段はnoteに実話怪談や創作怪談、エッセイ等を書いています。 竹書房マンスリーコンテスト2026年5月の最恐賞を受賞。 2026年4月刊行の「投稿瞬殺怪談禍速」にも旧名義で2話収録。 こちらのShow too Short様には創作怪談と、クトゥルフ×民話の作品を投稿予定です。 お楽しみいただけると幸いです。
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亀を助けたのは、本当に善意だったのか。 太郎は竜宮城で、何度もそれを考えた。 ただ、あの助けを求める亀の目が――人間のそれと同じだったから、気味が悪くて、銭を払ってでも逃れた...
以下に記す記録は、旧舟朽国の山間にある廃村の土蔵より、大正十年頃に発見されたものである。筆者は不明。 紙は異様なまでに腐朽していない。 筆致は執拗な熱を帯びているように思われ...
私は、あの忌まわしい山林に踏み入った、己の好奇心を未来永劫呪い続けるだろう。 あの日、私が外したのは、単なる獣罠ではなかったのだ。それはこの世界の理と名状しがたい異世界の深淵...
この論考を書き始めてから、すでに三度書き直している。 最初の稿は、客観的な調査報告として始まった。二稿目は、個人的な経緯を多く含んだものとなった。 三稿目――今あなたが読んでい...
忌まわしき誕生 老いた祈祷師が後に語ったところによれば、難波の外れに住む夫婦が住吉大社の祭壇に向かって捧げた祈りは、いかなる神聖な存在にも届かなかったに違いない。 むしろそれ...