有賀慧 / いわゆる元冒険者
奴は親友である。几帳面で、細々したことに気づき、ピンチでも明るく、失敗を恐れない。美点は幾らでも挙げられる。十年も共に幾多の戦いをかいくぐった仲だ。だが、顔を見たことも声も聞いたこ...
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奴は親友である。几帳面で、細々したことに気づき、ピンチでも明るく、失敗を恐れない。美点は幾らでも挙げられる。十年も共に幾多の戦いをかいくぐった仲だ。だが、顔を見たことも声も聞いたこ...
「グロリアどの! いずこに?」侍娘のアヤメから、あたいは必死に身を隠した。女だけの傭兵団、そんな関係もあるけど覚悟できていない。しんがりを務めた戦いで、彼女に言われたんだ。「月が、...
竜騎士にとって、飛竜をねぎらって可愛がるのは当然の行為だ。翼やあごを撫でることで、彼らの士気を高める。でもね、求愛の舞を見せられても困るのよ。種族違いじゃん。そもそも、君は雌で私は...
竜騎士は、人と飛竜が心を通わせて成り立つものだ。雛の頃から面倒を見て、共に訓練して、一人前になる。だから他の者が割って入る余地なんかない。なのに近衛の男がやたらと言い寄ってくる。あ...
春分の日に祖母はいつも村はずれの樹を訪れていた。日照りには水をやって、世話を欠かしたことはない。いまわの際に孫娘の私に託すほどだ。やがて緑が芽吹き、蕾がつき、迎えた何十回目かの春分...
「この樹の花を一緒に見ようね、若木ちゃん」彼女と笑顔で交わした約束。よその子供に親達は良い顔をしないが、女子どうしなので黙認されていた。花が咲く頃合いに、約束の場所へ向かう。彼女は...
上手くいかぬものよ。夢で幾度語りかけても、こたびの娘は寝汚い。仕方なく耳元で使命を囁きながら祝福を与えておる。にしても、こやつの器は底なしか。えっ、お祓いの儀式? 何をやってくれて...
私は村々を廻る巡回神官。祝福に治癒に悩み相談と忙しい。だが、懇意の村娘からの話に血の気が引いた。変な夢と快楽の記憶、夢魔のしわざに違いない。夢に出てくる人は女性らしい? いえ、同性...
あたしは快食快眠働き者が自慢の村娘。だけど最近は変な夢見で眠りが浅い。夢の中で誰かに会って、体がぽわぽわふわっとした心地になる。神官様に相談したら、血相変えて「夢魔に魅入られている...
奉仕AIの感情表現を教育するのが、私ことドールトーカーの仕事。メイド型の新しい子は、やたらと微笑んでくる。バグかと思ったら、「好きになってはいけませんか、マダム」だなんて。やめて、...