コメディ・日常
幸運の手紙
629文字
約2分で読了
私は昔から、どうにもツキのない人間だった。
子供のころから、大切な場面でじゃんけんをすれば必ず負けて面倒ごとを押し付けられるし、新しい靴を下ろした日に限って泥水を踏んでしまう。二択で迷って選んだ方はいつもハズレで、商店街の福引ではポケットティッシュしか当たったことがない。
そんな長年の不運続きの人生が、つい最近、一変した。
たまたま目にした「占いの館」で開運の無料相談を受けたのがきっかけだった。
そこで教えられたアドバイスを半信半疑で試してみると、効果はすぐに現れた。
占いの館を利用するときに登録した新しい住所宛に、幸運を告げる手紙が次々と届くようになったのだ。
何年も疎遠になっていた昔の友人から、電話番号を教えてほしいという便りが届いた。
有名百貨店からは数万円分の商品券が当選したという知らせが舞い込んだ。
そんなことが幾つか続き、機嫌よく過ごしていると、知人から「何かいいことでもあったのか」と尋ねられるようになった。
しかし、私は笑ってごまかすだけで、誰にも真実は話せなかった。
テレビでもおなじみの芸能人から、密かに悩みを相談されていること。
見知らぬ大富豪の未亡人から全財産を譲りたいという情熱的な申し出があったこと。
どちらも、自分でもにわかには信じがたい話だ。しかし、私の目の前にある手紙が確かな証拠だった。
顔をほころばせて、それを読み返していると、通知音が鳴った。また『手紙』が届いたようだ。
私は、孫に持たされたスマートフォンを、慣れない手つきで操作した。
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これからも、このような作品を投稿していくつもりなので、よろしくお願いします。
勝手なポリシーに従ってコメントさせていただくことにいたしました。現代的な内容でありながら悲壮感の無い筆致、オチにはまたも感嘆しました🌟