ホラー・怪談
待っていたよ
860文字
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ある日の休日。
家の前で、ポケットから鍵を手探る。
先端を触りながら、鍵を取り出して、ドアを閉める。
何度も使っている鍵だから、見なくても上下はわかる。
私は、買い物のためにスーパーへ向かった。
カゴは二種類あった。
ピンクのカゴ。グレーのカゴ。
私はグレーのカゴを持ち、野菜コーナーへ向かう。
じゃがいも、トマト、にんじん、次々にカゴに入れる。
作りたいものは今のところない。
ただ安いから、それだけ。
お尻のポケットに入っているスマホが震える。
スーパーの店内をうろうろしながら、スマホの通知を確認する。
彼女からだった。
>今から家に行くね。
彼女が私の家に来るらしい。
>今、買い物しているから、ゆっくり来てくれると嬉しいかも。
私は、スマホをお尻のポケットに戻して、買い物を続ける。
スマホが震えたが、多分「わかった」という返事だろう。
その後、私は次々に安い肉や調味料をカゴに入れて、レジでお会計をする。
スーパーを出ると、すでに夕方になっていた。
帰ったら、彼女のために何か作ろう。
早足で家までの道を歩く。
彼女と私の家はそこまで離れていない。
もしかしたら、玄関で待っているかもしれない。
私は、彼女に連絡をするためにスマホを開いた。
>大丈夫だよ。中に入っているね。
彼女からの一言。
私は首を傾げた。
とりあえず、私は買い物袋を持ち直して家へ向かう。
角を曲がったら、家が見えた。
外は薄暗く、ここからの距離だと、見えないはずなのに、家の窓から光が出ていた。
なぜ、家に電気がついているかわからない。
玄関までの道が少し長く感じた。
彼女が中に入っていると言っていた。
家のドアの前についた。
ドアを開けると、彼女のいつもの白いパンプスが目に入った。
彼女が部屋のドアから顔を出した。
「おかえりなさい。待っていたよ」
「来る前にお菓子買ってきたよ。一緒に食べようよ」
そう言いながら、彼女は私の好きなお菓子を見せてきた。
「どうやって入ったの?」
「え、これだよ」
彼女は、鍵を見せてきた。
ところどころ傷が入っている、シルバーの鍵。
「私、鍵渡してないよね?」
彼女は鍵を指先で回した。
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