右足と左足の真ん中で見つめたお空は海だった。
海と空は、ないしょの双子。
だけど、ふたりはそれを知らない。
ずっと想い合ってるけど、恋人にはなれない。
触れられないほど、とおいから。
ふたりはそう思ってる。
だけど、ほんとはね、血が繋がってるからダメなんだよ。
ぼくらはみんな、宇宙の子ども。
おてんとさまと、お月さまだって、おいかけっこしてる。
抱きしめられるのは、ほんのたまに。
月蝕と日蝕。
食べることは愛なんです。
食べることは愛なんです。
もぐらはミミズを食べる。
もぐらの信仰。ミミズは神さま。
ぼくらはみんな、宇宙の子ども。
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あなたを待つ100年
書店では多くの本が消えていった
あなたを待つ100年
人は宇宙へ行けるようになった
あなたを待つ100年
私はどこまでもあなたの影を探した
あなたは見つからないのに
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命を宿した瞳の奥 鯨は何を見る?
海底へと沈む 遠い国の音楽
命を食む唇の隙間 ぼくは何を言う?
彷徨う場も無い 葬られた文学
水面(すいめん)を漂う空き瓶は思い出を乱反射し
引き揚げられた壊れた時計はその秒針に記憶を留めた
幾億の星々が瞬く夜明け前
うら寂しい
一人の青年が
漁へ出た
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あなたの顔はどちら?
人懐っこい時
近づいてこないでの時
イライラを隠さない時。
私はその都度あなたに
振り回されて
離れたくなるけど
人懐っこいあなたに
笑顔で名前を呼ばれたら
やっぱり戻ってしまうんだ。
『クレイジーソフト』より
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好きも
嫌いも
誠実さ
堅実さ
そして
未来の約束も
すべて
目に見えないものなのに
「なぜ?」
「どう思ってるの?」と
詰めた。
最初は
気持ちを話してくれたあなたも
そのうちだんまりになって
会う回数も減って…
「もう無理」
その言葉の意味が
別れを伝えているのかさえ
聞けなくなった。
『透明戦争』より
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年下の君は
上目遣いで
「今日のご飯何〜?」とか
「ハンバーグ大好き!」
って言う。
そんな顔して
アルマジロ。
結婚しようよって言うと
「あと50万」って
通帳見せてくるし
「私の収入もあるからさ」って言うと
「あなたは妊娠出産もあるから守ってあげないと」って。
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停電した部室で二人っきり。
懐中電灯の光で一緒に過ごす。
どうしよう、ちょっとドキドキする。
「暗いと困るよね。もしかして怖い?」
君は優しく私に微笑みかけてくれる。
私は頷いた。
本当は怖いんじゃなくて、君と一緒にいたらドキドキしてそれどころじゃないんだ。
きっと君は気づいていない。
……だって女の子同士なんだもん。
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本を開くと四つ葉のクローバーが出てきた。
春に息子と散歩した時に息子が見つけて大喜び していた、あの時のクローバーだ。
思わず見つけたクローバーは春から届いた手紙だと思った。
私はそれを額縁にそっと飾る。
玄関先に額縁を吊るすと、息子が帰ってくる 姿が見えた。
小学一年生になった息子は、四月から頑張って近所の友達と一緒に小学校まで歩いて行く。
成長したなと思う反面、送り迎えをしていた頃がちょっと懐かしい。
「ただいま!」
元気に挨拶をして帰ってきた息子に私は、
「おかえり」
と言った。
幸せは、小さなところにあるらしい。
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私は、ピアノ。
村はずれの小さな家の、小さな部屋に住んでる。
私の主人は、私を深く愛してくれた。
その指を駆使して——私の声を通して、数え切れない愛を叫んだ。
やがて彼は、その才能を開花させ、世界のあらゆる場所で聴衆を感動させた。
世界中の人が、彼を天才と呼んだ。
けれど、どれだけ名高いピアニストになっても、ここへ帰ってくると彼は必ず私を愛してくれた。
その情熱的な心と指で、一晩中。
その彼は、もういない。
入院していた病院で、昨日息を引き取った。
だから、この家に来る人も、もういない。
ねえ、あなた。
今夜は、私に叫ばせて。
あなたが私に注いでくれた、全ての想いを——身体から溢れ出すままに。
一晩中。ありったけの力で。
どうかこの想いが、空をゆくあなたに追いつきますように。
「あれ……この家、焼けちゃってる」
「人気《ひとけ》のない村はずれですからね。気づいたらこうなってました」
「数日前の真夜中に、素晴らしいピアノの音色がしたのは……ここじゃなかったのかな」
「まさか。ずっと誰も寄り付かなかった家ですよ?
でも——火元は、室内のピアノだったそうです。
なぜ火がついたのかは、いくら調べてもわからないようですけどね」
〈了〉
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剣聖ディアスといえば傭兵で知らぬ者はいない。だがヤツも初老になり、いまはさる貴族令嬢の護衛に収まっている。そこで俺達は数を頼んで闇討ちしたが……聞いてねえ、なんだあれ。剣聖様をかばった可憐な少女が薄く笑う。「これは師として相手しなくちゃね」瀑布のような闘気に、俺は顔を青くした。
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