私たちの世界にはひとりだけ
はっきりした色の子がいるでしょう?
その子が人間、私のかわいい妹
あの子は人間
私たちはあの子の頭の中の落書き
私たちが描かれなくなったら
あの子に健やかな幸せが訪れたということ
忘れていいんだよ
抱えなくていいんだよ
空想世界の私たちを
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あなたを喪った私は愚かにも
心の穴に向日葵の花を移植した
向日葵はいつでも優しく
まるでその光は
太陽に向かって笑顔を向けるあなたそのものだったが
私の涙は徐々に向日葵を腐敗させた
いよいよ朽ちてしまった花は
咳をする度に少しずつ吐き出された
あなたを想い言葉を紡ごうにも
茶色く汚れた花びらしか出てこない
不気味にも乱れた呼吸音は
私が生きていることを証明するが
それはほんとうに寂しいものだった
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あなたを待つ100年
書店では多くの本が消えていった
あなたを待つ100年
人は宇宙へ行けるようになった
あなたを待つ100年
私はどこまでもあなたの影を探した
あなたは見つからないのに
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命を宿した瞳の奥 鯨は何を見る?
海底へと沈む 遠い国の音楽
命を食む唇の隙間 ぼくは何を言う?
彷徨う場も無い 葬られた文学
水面(すいめん)を漂う空き瓶は思い出を乱反射し
引き揚げられた壊れた時計はその秒針に記憶を留めた
幾億の星々が瞬く夜明け前
うら寂しい
一人の青年が
漁へ出た
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あなたの顔はどちら?
人懐っこい時
近づいてこないでの時
イライラを隠さない時。
私はその都度あなたに
振り回されて
離れたくなるけど
人懐っこいあなたに
笑顔で名前を呼ばれたら
やっぱり戻ってしまうんだ。
『クレイジーソフト』より
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好きも
嫌いも
誠実さ
堅実さ
そして
未来の約束も
すべて
目に見えないものなのに
「なぜ?」
「どう思ってるの?」と
詰めた。
最初は
気持ちを話してくれたあなたも
そのうちだんまりになって
会う回数も減って…
「もう無理」
その言葉の意味が
別れを伝えているのかさえ
聞けなくなった。
『透明戦争』より
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年下の君は
上目遣いで
「今日のご飯何〜?」とか
「ハンバーグ大好き!」
って言う。
そんな顔して
アルマジロ。
結婚しようよって言うと
「あと50万」って
通帳見せてくるし
「私の収入もあるからさ」って言うと
「あなたは妊娠出産もあるから守ってあげないと」って。
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ゴウンゴウン
食洗機が頑張ってる
ゴウンゴウン……ゴウンゴウン
音楽が流れる
いつものオペラっぽい……
じゃなかった
レッレレレミッミッファッレッミー
レッレレレミッミッファッレッミー
くるみ割り人形だ
このくらいは知ってるもんね
細かく跳ねる柔らかな金管
愉快に応える弦の音色
おどけたフルートも入ってきた
やたらシンバルが響くな
どんどん重層的になっていく
すっかりお祭り騒ぎだ
いつでも私の中にいる楽団
ちょっと適当がすぎる
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最初は絵付けだった。
たまたま
あなたと訪れた旅先で
記念になるからと
お互いチャレンジした。
そこから
二人でハマって
陶芸が趣味になった。
記念品も
もう棚におさまらないくらい。
ある日
あなたが誕生日プレゼントにと
壺に生け花を。
「花が枯れたら
また生けるね」って。
よくできた壺。
よくできた旦那だ。
「壺名人」より
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振り返ると
私が座って花を摘んでは
花びらをちぎって捨てて…。
あれは
自己満足であなたを愛した私。
前を向くと
私が真っ直ぐ歩いて
花の香を嗅いだり
水をあげたり
足どりも軽やかで…。
ここから見える景色が
あまりにも違って
私もいつか
花を愛でることができるのかな?って
思うけど
振り返った私ではいたくないなって。
「これまで いま これからの じぶん」より
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