ホラー・怪談
乙姫様 其の二
465文字
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「返してよ!私のお人形!」
「だったらとってみろよ、桜」
「ほーら!」
クラスに苦手な男の子の二人組がいて、ある時私の人形を取り上げた。
「返してったら!」
私が取り返そうとするたび男の子たちは人形を放り投げ次々とパス してゆく。
「やめてったら!乙姫様のお人形!」
なんとか私が人形の腕を掴んだ瞬間、男の子が反対側から引っ張る。
「……あっ!」
人形の腕はちぎれて男の子はもう一人の子にパスをした。
今度はそのもう一人の子が、公園の木の枝に向かって放り投げる。
「行こうぜ!」
「じゃあな、桜」
枝に引っかかって取れなくなった人形を見て、男の子たちは立ち去ってしまった。
私は何とか木によじ登って人形を取ろうとした。
だが人形をつかんだところで 木から落ちて尻餅をついてしまった。
ボトン!
人形の胴体と頭が分かれて落ちてくる。
どうしよう……
私は泣きながら人形の腕と胴体と頭を持って家に帰った。
家で母に人形の頭と胴体と腕を縫い合わせてもらっている時に電話が鳴った。
それは同級生の男の子二人の訃報を伝える電話だった。
1人は車にひかれ頭がちぎれ、もう一人は腕がちぎれ……
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