コメディ・日常

タロウとの生活

820文字 約2分で読了
作者:さくら
朝、目を覚まして大きく体を伸ばすと、隣にはタロウが寝ていた。いつの間にかベッドに潜り込んだらしい。いつものことだ。 まだ気持ちよさそうに眠っているので、起こさないように、そっとベッドから降りた。 窓から外の様子をうかがうと、今日はいい天気になりそうだ。ここ数日は雨が続き、しばらく散歩に行けていない。今日はぜひ連れて行ってやろう。 しばらくするとタロウも目を覚まし、リビングへやってきた。 日差しが強くなる前に済ませたいと思い、さっそくリードを用意してタロウに見せると、すぐに、こちらの意図を察したようだ。手早く準備を整え、玄関から外へ出た。 散歩から戻り、リビングのソファで体を休める。 少し疲れた。自分自身の老いを実感せざるを得ない。昔はこの程度の距離で息が上がったり、こんなに疲れたりすることはなかったはずだ。 一方で、タロウはまだまだ元気いっぱいだ。どうやらボール遊びがしたいらしく、自らゴムボールを持ってきた。 仕方がない、一緒に遊んでやろう。部屋の端までボールを転がしては、それを拾ってくる。それだけの単純な繰り返しだが、タロウは本当に楽しそうだ。 ボール遊びを飽きるまで繰り返した後、タロウは別のオモチャでひとり遊びを始めた。 触ると光ったり、賑やかな音が鳴ったりする仕掛けのオモチャだ。タロウの一番のお気に入りで、これに夢中になると、1時間でも2時間でも没頭することがある。 ひとり遊びに集中し始めたのを見届け、再びソファに戻り静かに身体を休めることにした。ゆったりと寛いでいるうちに、いつの間にか眠ってしまったようだ。 目を覚ますと、近くにタロウの姿はなかった。家の中を探し回ったが、どこにも見当たらない。胸の奥に小さな不安が広がった。 だが間もなく、玄関のほうから聞き慣れた足音が聞こえてきた。急いで玄関へと向かう。 鍵が回る音の直後、タロウが扉を開けて家に入り、靴を脱いだ。 私はそれに駆け寄り、尻尾を振って出迎えると、タロウに勢いよく飛びついた。
2026/10/17 ・ 👁️ 86回 ・ 💬 2件

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読者の感想・応援メッセージ

さくら
丁寧なご感想ありがとうございます。
楽しんでいただけたようでなによりです。
七星満実
はじめまして、ななせまみといいます。
拝読させていただいて唸らされました。この短さで叙述トリックが見事に成立していてすっかりタロウがワンちゃんだと思い込んでました🐶
文章自体も柔らかい温度があり、お上手だなあと思いながら微笑ましい読後感を楽しませていただきました🌟
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