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さよなら、ハッピーエンド
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愛していた。本気だった。
なのに……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
暗い夜のベンチに、私は一人で座っていた。
雪がひらひらと舞う。
嫌になるくらい、ベンチ横の街灯が明るい。
かじかむ手を、もう、誰も握ってくれない。
あの人がいたときは、ずっと冷たくなかった。
指がひび割れて血が滲む痛さも、外の凍えそうな寒さも。ずっと知らなかった。
手を繋いで帰ってくれた昼のこと。
「寒い?」と上着をかけてくれた夜のこと。
寒かった日もたくさんあったはずなのに、寒かったと覚えている日はなかった。
たくさん笑って過ごしてきたはずなのに、どうして彼の隣は私じゃないの?
浮気をされたのなら、まだ諦められた。
相手が悪かったなって責めることもできたのに。
それすら貴方はさせてくれない。
私が悪かったなら、責めてくれたって良かった。
でも、貴方は最後までそうじゃなかった。
「ごめん」ってそれだけ言って。
最後まで、優しかった。
貴方がいなくなった。
もう二度と、私の隣には戻ってこない。
それだけで、私はこんなにも胸に穴が空いたように痛むのに。
……酷い人。
スマホと財布以外、何も持たずに飛び出してきてしまった。
どうしたらいい? これから、どうすればいいの。
俯くと、ポケットから指輪が溢れ落ちた。
これは、あの人から貰った大切な……
ううん、もう要らない。
だって、もう終わったんだから。
私は地面に落ちた指輪を拾う。
川に投げ捨てようとして振りかぶったまま、腕を振り下ろすことができない。
「…………っ」
背中が冷えて痛む。
雪が冷たい。
お願い……早く、迎えに来てよ。
前が見えなくなるほどに、視界が濡れた。
私はギュッと、両手で指輪を強く握りしめた。
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