コメディ・日常
晴れ女vs雨女
703文字
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空は見事な快晴だ。
彼女は自分のことを晴れ女だと思っている。重要なイベントの日は決まって晴天になるからだ。
今日は、かつて好意を寄せていた男性の結婚式だ。彼が絶世の美女を伴侶に選んだと聞き、彼女はポジティブな感情を抱いている。
さすがは自分が一度は惹かれた男だ。相手が素晴らしい女性なら、自分の過去の選択も間違いではなかったと感じる。
彼女は晴れやかな気分で家を出た。
窓の外は土砂降りだ。
彼女は自分を雨女だと思っている。重要な行事の日は決まって雨が降るからだ。
今日は、かつて密かに心を寄せた男性の結婚式だ。彼女の胸中にはネガティブな感情が渦巻いている。彼への気持ちは整理をつけたつもりだったが、別の女性と結ばれるという事実を素直に喜べないでいる。
彼女は湿った傘を手に、憂鬱な気持ちで家を出た。
二人はそれぞれ別の場所から、同じ式場へと向かっていた。式場に近づくにつれて、天候に変化が生じた。
晴れ女の頭上では、青空が急速に灰色の雲に覆われ始めた。
雨女の頭上では、打ち付けていた雨粒が次第に姿を消していった。
式場に到着して、晴れ女は空を見上げた。彼女が参加するイベントで晴天にならないことは極めて珍しい。
雨女は窓の外を見ていた。自分が参加するイベントで雨が降らないのを不思議に思っていた。
開式の時刻を迎え、新郎と花嫁が入場した。
参列者の視線が花嫁に集まった。
噂通りの絶世の美女であった。透き通るような白い肌。色素の薄い瞳。その静かな佇まいは、人間離れした美しさを放っている。
窓の外を舞い落ちる、季節外れの白い結晶。
二人は納得した。自分のささやかな天候のジンクスなど通用するはずがない。
『本物』に格の違いを思い知らされた。
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