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オレンジ色のリムライト

734文字 約2分で読了
美大の合格発表。 あなたの番号はあって、私はなかった。 ―― 「ねえ、りんちゃん、またお絵かきしよ!」 幼馴染でずっと一緒に遊んだ。 「ねえ、今度このコンテスト一緒に出そうよ!」 正直、最初はそこまで絵が好きだったわけじゃなかったと思う。 「え!高校一緒なの?また一緒に描けるね!」 金魚のフンと言われても仕方ないと思う。 「ここの美大、目指そうと思うんだ」 でも――。 「……うん、私も一緒のところだよ。」 美大予備校の順位で悔しくて、しゃがんで泣いているあなたを見た。 あんなに上手い人たちに負けて、本気で悔しがれるあなたを見た。 「全員が筆折るくらい、私の絵で魅させてやる」と殺気立つあなたを見た。 その怖いくらいの熱が、とっても眩しくて羨ましくて。 輪郭から漏れ出た光くらいしか見られなかったんだ。 白飛びした逆光から、わずかに見えるオレンジ色しか。 私はそのオレンジ色を、ずっと見ていたかった。 でも他人に引っ張られて、生きていけるほど甘い世界じゃない。 合格発表の日、ちっとも嬉しそうじゃないあなた。 私を真剣に見つめてくるあなた。 「来年は受かってね、下手くそ。じゃないともう眼中にないから」 あなたの言葉はキツくて、だからこそ奥底の期待が伝わった。 ―― 「うん、ごめん。もう一年挑戦させて。」 両親に無理を言う。今日から晴れて浪人生だ。 もうあのオレンジ色は、遠く向こうへ行ってしまった。 でもあの光と熱が残した「火花」ならある。 まだ光どころか、炎ですらない私の衝動を今日もキャンバスにぶつける。 「眼中にないなら無理やりにでも、振り向かせてやる。」 ついでに、あなたの語気もうつってしまった。 まあそれはいいか。 明日もきっと描ける。 あなたがいなくても、私はもう描ける。 あのリムライトをもう一度、傍で見たいから。
2026/10/13 ・ 👁️ 60回 ・ 💬 0件

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