エッセイ
にんげんは空想上の生きものです
398文字
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街は秋めいてきた。
外はまだまだモワッとした暑さが立ち込めているのに、入道雲はもういない。
お洋服売り場だって、茶色やオレンジばかり。
100均の毛糸売り場にはお客さんが増えた。
街路樹の葉っぱの色だって、少しずつ渋くなっていく。
枯れ葉は妖精のドレス。
今年の流行りはどの葉っぱなんだろう。
わたしはね、妖精を見たことがある。
だけどそれは内緒。
誰も信じないから。
信じられないのはこわいから?
それともありえないから?
わたしは、にんげんだって信じられないモノだと思う。
食料を切って、火を通して、味付けして、盛り付けて。
そんなの意味ないもの。
お洋服を着てる。
別個体を好きになるし、子どもを育てる。
同時にふたり以上の好きな人を作ると怒られる。
遠くにいる会いたい人の声が聞きたくて小さな機械を作ったし、みんなヘンだよ。
動物の世界では不要なものだらけ。
不要だけど尊くて、いとおしいよ。
いとおしいけど、ちょっぴり疲れるネ。
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