恋愛
籠の中
753文字
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飼っていたハムスターが死んだ次の日、ケージの中には、クラスの同級生でもある幼馴染みがいた。
彼女は学校の制服を身にまとい、ハムスターと同じぐらいの大きさで座っている。
最初はお互いにパニックになったが、数日もすれば慣れたものだ。
生徒が一人居なくなったというのに、学校や地域では騒ぎになっていない。
まるで最初から居なかったのが当然とでもいうように、幼馴染みの席は空いていた。
私は出かける前にいつも、幼馴染みのためにご飯を作っておく。量としては一食分。それで一日事足りるのだ。
食べた後、お腹が大きく膨らむが、カラカラをしばらく走っているといつの間にか引っ込んでいる不思議な体だった。
食器や衣類などは、おままごと人形の物を代用した。
風呂はハムスターの飲み水に使っていた箱を、トイレは仕方なく砂の入ったコーナートイレにしてもらっている。
直接見ないようにし、終わったら私が処理して砂を取り換える。
夕飯はいつも私が食べさせている。
幼馴染みはあーんと口を開けて、私は取り過ぎないように気を付けながら彼女の口へ、夕飯を運ぶのだった。
彼女には不便だっただろうが、周囲が知らない二人だけのこの生活が、私は楽しかった。
そんな生活を一ヶ月続けていた。
すると突然、幼馴染みは元の大きさに戻っていた。
周囲は何事も無かったかのように、彼女と接し、普通の生活を送っている。
私は寂しく感じながらも、使っていたゲージをゴミに出して捨てた。
部屋が無駄に広くなったように感じた。
でも、変わらないことが一つあった。
放課後、クラスメイトたちの居ない教室で、昼に食べたのとは別の弁当箱を開ける。
幼馴染みは私の隣の席に座り、口を開いて待っている。
私はこぼさないように気を付けながら、彼女の口へ少し早い夕飯を持っていく。
このやり取りだけは、今も続いているのだ。
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