ポエム・詩

キャンバスの向こう側

503文字 約2分で読了
作者:河内謙吾
朝焼けが ビルの隙間を染めていく 昨日流した涙の色を 塗り替えるように どこまでも続く 青い静寂(しじま)に 僕らはちっぽけな 呼吸を一つ落とした 風が通り抜けるたびに 何かが胸を締め付けるけど 見上げるたびに 変わらない場所で その広さを 教えてくれる あんなに自由な空になれたら どこへだって 飛んでいけるだろうか 悲しみも 包み込むような 圧倒的な青 僕らが迷わないように 今日もただ そこで微笑んでいる 夕暮れが 影を長く伸ばしていく 茜色に溶ける雲が 少し切なくて 「また明日ね」と 呟いた声は オレンジのグラデーションに 消えていった どんなに遠く 離れていても 同じ空の下で 繋がっている ぬくもりを 運んでくるような 優しい夕映え 一人じゃないと 伝えるように 街の灯(あかり)を 優しく灯していく 一番星が 瞬き始めて 夜の帳(とばり)が 全てを包む 暗闇さえも 拒まない空 その広大さに 寄り添いながら 僕らは 自分の光を 探していくんだ あんなに自由な空になれたら どんな涙も 輝きに変えられる 切なさも 温かさも 全部抱きしめて 僕らが歩き出すための 道標(みちしるべ)を 照らし続けている 夜が明けて ビルの隙間を染めていく 新しい一歩を 祝福するように 見上げる空は いつだって自由で 僕らの明日を 静かに待っている
2026/10/02 ・ 👁️ 78回 ・ 💬 0件

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