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星屑のあわい
573文字
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今夜は織姫は彦星と会えないだろうか……
一年前留学した彼と会うために、私は商店街の七夕の笹の下でまっていた。アーケードの外はザーザー降りの雨である。
「一年間かぁ、長いね」
「うん」
「でも夢だったんでしょ?絶対に諦めないで行ってよ?」
「ありがとう」
「ふふふ。私たち、織姫と彦星みたいね」
「確かに」
ふと、一年前の会話を思い出した。
けれど実際の 織姫と彦星、つまり琴座のベガとアルタイルだが一年どころの話ではない。
――十五光年。
それほどの距離があるのだ。
光のスピードでその距離なのだから、実際に会えるとしたら一体何千年何万年かかるのだろう……
もちろん星は動かないけれど。
銀河系を挟んで輝く夜空の星に物語を描いた昔の人々は、もちろんその距離を知るよしもない。
私たちは一年経てば再会できるのだ。
それでもその時間というのは一千万年後年彼方の星より遠く感じた。
去年一緒に短冊を書いたことを思い出す。
一年後の自分たちのことを想って。
笹の横には短冊のテーブルが置いてあり誰でも自由に願い事をかける。
私はそれを手に取った。
真ん中に小さく願い事を書いて、そっと笹に結びつける。
「何を書いたの?」
「ヒ・ミ・ツ」
一年経った君は一年前と少しも変わらず……
ううん、去年よりも少し大人びいたような気がする。
織姫と彦星のように私たちは再び巡りあったのだ。
運命の星と星の間(あわい)にて。
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