ホラー・怪談

案山子

638文字 約2分で読了
作者:しとえ
車から黒い煙が吹き出し、エンジンがストップした。 クソ!クソクソ! 何度もアクセルを踏むが何の反応もない。 俺はトランクを開けた。 中にはバラバラに刻んだ死体。 口論になってカッしてしまい気がつけばこの有様だ。 適当な雑木林の中まで遺体を運ぶと持ってきたスコップで穴を掘る。 血と泥まみれになりながらなんとか埋め終わる。 ……これからどうするか。 携帯の電波は届かないようだ。 もっともカーサービスなど呼ぼうものなら足がついてしまうだろうから結局のところ車を捨てて自力で帰るしかなさそうだ。 ……バス停まで歩くか。 道なりに随分と歩いたが一向にバス停に着く気配はない。 空はクリムゾンの禍々しい色をしていた。 民家が見えるので今夜はここで泊まることにする。 そういえばこの辺りは廃村だった。 民家に入ろうとして人影のようなものが見えた。 ぎくりとするがよく見ればそれは案山子だ。 村起こしで案山子祭をやっていたという話を聞いた。 カビが生え黒ずんで気味が悪い事この上ない。 ……いや、所詮ただの案山子だ。 夜、廃屋の中で一人寝ていると『ごとり』と音がした。 慌てて振り向くと案山子が立っている。 なんだ、案山子か…… ……いや、待て。なぜ案山子がこんな所にある? おかしい!おかしい動くはずがない! 俺は逃げようと走り出した。その途端ドンと何かにぶつかる。 案山子だ! 案山子に囲まれている! 布の間から殺したあいつの顔が見える! 助けてくれ! ……誰か! ……ねえ知ってる? 廃村に案山子の村があって、捕まったら案山子にされちゃうんだって。
2026/09/23 ・ 👁️ 101回 ・ 💬 0件

\ 次の作品を探す /

読者の感想・応援メッセージ

まだ感想はありません。

0 / 1000文字