児童文学
352文字 約1分で読了

ぎわくのたまご

おにわに おちてた たまごが1つ。 これは なにの たまごだろー? ニワトリさんかな?  それとも おそらを とんでいた、  おおきな おおきな とりさんかな? あたためたら ひよこが うまれるかな? うまれたら いっしょに おにわを おさんぽしよう。 とっても カラフルなたまご。 これは なにの たまごだろ? トカゲさんかな? かめさんかな ? 「がぉー!」 もしかして きょうりゅう かな? うまれたら いっしょに だいぼうけんに でかけよう。 おうちに もってかえって ベッドのなか。 たまごを だいじに あたためます。 ゆめのなかで たまごから、 にわとりさんも おおきな とりさんも かめさんも トカゲさんも、 きょうりゅうさんも でてきて みんなで いっしょに だいぼうけん。 あらあら まみちゃん、ねちゃったの? ママがそっと おフトンを かけてくれました。 みんな いっしょに すや、すや、すや。 おやすみなさい。
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作者:しとえ
2026/09/22 • 👁 95回 • 💬 0件
児童文学
2252文字 約5分で読了

揺らぐ水面の秘密

新緑が池の表面に映り込みます。 穏やかな午後は風ひとつなく、まるで鏡のように水面に若葉が写ります。 ふと水面に波紋ができました。 まるで小さな小石でも放り込んだかのように、水面はゆらゆらと揺れています。  風がないのに水面に波紋ができているのを見たことがある人はいるでしょうか。 何かが落ちたわけでも、下から魚がつついたわけでもなくて、水面がゆらゆらと揺れているのです。  きっと注意深く見なければ気づく人はいないでしょう。 けれど気がついた人がいたのです。 その様子を見ていたのは春彦くん。 小学2年生の男の子です。 学校が終わってまっすぐ家に帰るのが嫌で、公園のベンチに座って池を眺めていたのでした。  春彦君はずっと池を眺めます。 池の表面で何かが光って見えました。  よく見るとそれは小さな女の子でした。 背中に小さな虹色の羽が生えているのです。 「妖精さんだ!」と春彦君は思いました。 水面に落ちて尻餅をついて、そして水に波紋ができたのでした。 女の子は池の水の上に座っています。 春彦君はどうして女の子が水の中に沈まないんだろうと思いました。だけどしばらく考えて、もしかしたら女の子はとっても軽いから沈まないで水の上に立つことができるのかもしれないと思いました。 「いたた、もう一回!」 女の子は羽を動かして飛び上がります。 空中で女の子は止まります。 一体何をしているんだろう?春彦君はとても不思議に思いました。 一分、二分、時間が過ぎてゆきます。 女の子はだんだんと赤い厳しい顔になってゆきます。 激しく動いていた、羽がだんだんと動きを止めていきます。 そしてまた水面に落ちてしまいました。 「はぁ、がんばったんだけどな……」 女の子はため息をついてそう言いました。 そしてもう一度 飛び上がろうとして、今度はつるんとこけてしまいました。 「大丈夫?」 春彦君は思わずそう言いました。 女の子は、びっくりして春彦君の方を見ました。 「君、私の姿が見えてるの?」 「うん」 「普通の人間には私たちの姿は見えないはずなのに」 「そうなの?」 「そうよ。すごく稀に見える人もいるらしいけれど」 「そうなんだ。君は妖精さんなの?」 「そうよ。私の姿が見える人間に初めて出会ったわ!」 「僕も、妖精さんに出会ったのは初めてだよ」 「あら、そうなのね!じゃあ私たちお互いに初めて同士ね」 妖精の女の子は弾む声でそう言いました。 「ところで妖精さんさっきから何をしてたの?」 「飛ぶ練習よ。お父さんとお母さんがもうちょっと上手にならないと遠くまで飛んで行っちゃダメだって言ってるからね」 妖精の女の子の答えに春彦君はちょっとびっくりしました。 だって妖精が飛ぶ練習をしているなんて。 妖精は練習なんてしなくても空を飛べるイメージだったからです。 「それで何回も飛び上がってたんだ。妖精さんも練習しなくっちゃ空を飛べるようにならないんだね」 春彦君はそう言いました。 「そうよ、練習しなくちゃだめなの。特に難しいのはホバリングって言ってね空中でずっと止まった状態でいるの。スイスイ飛んで行くより難しいんだから。とっても長い間止まっていかなきゃいけないし、空に浮くためにはすごいスピードで羽を動かさなきゃいけないし」 「そうだったんだね。君、頑張り屋さんなんだ、すごいね」 春彦君は目を輝かせてそう言いました。 「そう頑張り屋さんなのよ!」 女の子は胸を張ってそう言います。 「でもホバリングなかなか上達しなくって、もうちょっと上手になりたいな」 照れたような恥ずかしいような表情を浮かべて女の子はそう言います。ホバリングというのは空中に停止して浮いている飛び方のことを言います。 「僕もね、縄跳びで飛ぶのがすごく苦手なんだ。もうちょっと上手になりたいなって思ってるんだけど、ちっとも上手くならないの」 春彦君はそう言います。 「そうなんだ!それだったら私と一緒に練習しようよ」 妖精の女の子は嬉しそうにそう言いました。 「うん、じゃあ僕がんばる。一緒にがんばろうね」 この公園に来たのは本当は、体育で上手く縄跳びが飛べなくて落ち込んでいたから気分転換をしたかったのです。 「毎日一緒にがんばろうね。すごくうれしいな!」 妖精の女の子はそう言いました。 「うん」 春彦君は答えます。  次の日、春彦君は学校が終わるとすぐに公園に向かって走って行きました。 やっぱり公園では妖精の女の子が一生懸命、ホバリングの練習をしていました。  これは僕も頑張らなくちゃだめだ!  春彦君は学校から持って帰ってきた縄跳びの練習をしながら 妖精の女の子を応援します。 苦手だった縄跳びは、だんだんと上手になってきました。 そして妖精の女の子のホバリングもとても上手になりました。 二人が出会って一週間後の小学校の体育の時間、今日はテストがあるのです。縄跳びのテストでした。 春彦君は少しでもたくさん 縄跳びを飛べるように頑張りました。 そのそばで妖精の女の子が応援します。 「がんばって!がんばって春彦君!とっても上手だよ。その調子、その調子!」 十回、二十回、三十回、今までにないほどたくさん飛ぶことができたのです。 妖精の女の子も春彦君も笑顔でお互いに笑い合いました。  女の子もとてもホバリングが上手になってあちらこちら飛んでいけるようになったのです。  女の子が池の上を飛ぶとほんのかすかに水面が揺れるのです。 大きな水の波紋ではなく、小さくかすかに表面が波立ちます。 それは妖精が飛んでいる証拠。  もし、皆さんが風もないのに水面が揺れているのを見たらその上を妖精の女の子が飛んでいるのかもしれませんよ。
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作者:しとえ
2026/09/20 • 👁 84回 • 💬 0件
児童文学
1451文字 約3分で読了

遠い嵐の予感

春の田んぼではカエルの子どもたちの合唱が聞こえます。  今年生まれたオタマジャクシたちは、みるみるうちに成長して、小さなカエルになったのです。 「お母さん待ってよー」 カエルの坊やは一生懸命ジャンプしてお母さんも追いかけます。 まだお尻には短い尻尾が残っています。 初めて上がった陸の世界はたくさんの若葉が生い茂り、名残惜しそうに、少しばかり残った桜の花びらが舞い落ちます。 他の兄弟カエルたちもみんなぴょんぴょんと飛び跳ねてあっちこっち初めての陸の世界を見て回るのです。 「カタツムリのおじさんこんにちは!」 「こんにちは」 「とってもいい匂いがするよ」 「バラの花が咲いているのさ」 「どこに咲いているの?」 「上をごらん」 そう言われてカエルの坊やは上を眺めました。 ずっとずっと高いところに花のつぼみがついています。 下から見上げればほんの少しだけ花びらのピンク色が見えるのです。 「すごいなあでもあんなに遠くまで上がれないよ」 「なあに、大きくなったらジャンプして葉っぱから葉っぱへ飛び移って上まで上がることができるよ」 「本当?」 「もちろん!君のお母さんはとっても上手だよ」 そう言われて、カエルの坊やは早く大きくなりたいなと思いました。 大きくなってあのお花の上まで行けたらとっても素敵だろうと考えたのです。  ぽつり、ぽつりと、雨が降ってきます。 「わー、冷たい。空から水?」 「雨だよ」 「あめって、なぁに?」 カエルの坊やは不思議そうに上を眺めます。 「そうか、坊やはまだしっぽが残っているもんね。昨日まで田んぼの水の中にいたんだね。それじゃあ雨に濡れるのは初めてなんだ」 カタツムリのおじさんはそう言いました。 「空から水が降ってくるんだね」 カエルの坊やは不思議そう。 「そうだよそれが田んぼや池にたまっているんだよ」 カタツムリのおじさんはそう教えてくれます。  突然 空がピカッと光りました。 紫色の眩しい光。 そしてその後、ドーンゴロゴロ! とても大きな音がしました。  カエルの坊やはびっくり! 慌てて飛び跳ねて行きます。 「お母さーん !大きな音がするよ!怖いよ!」 大きなチューリップの葉っぱの下にお母さんはいました。 それから兄弟カエルたちも。 「怖いよ!怖いよ!お母さん!」 「大丈夫、あれはカミナリよ」 お母さんは子供達を抱きしめて優しく教えてくれます。 「雨がたくさん降る時はカミナリが鳴るの。とっても大きな音だけど怖くはないわ。たくさんの雨を降らせてくれる合図なの。 これからもっと時間が経って雨がたくさん降るシーズンがやってくるのよ。そうしたらあじさいっていう大きな紫色の花が咲いて、たくさん雷が鳴って雨が降るの。 みんな雨が降ったらお肌が濡れて気持ちいいでしょ。 雨はたくさんのお花や植物たちを育ててくれるのよ。 だからカミナリはとっても大きな音だけどちっとも怖くないわ」 お母さんもそう言って子供達をなだめました。  やがて雨は止み、葉っぱの上には水滴が溜まっています。 地面には水たまりもできています。 「すごいね、ちっちゃな田んぼみたい」 子供達は水たまりの上で遊びます。 カエルの坊やも水たまりに入って遊びました。 雨上がりの空気は少しだけ澄んでいて、綺麗に洗われた世界はいつもよりほんの少し鮮やかに見えます。 カエルの坊やは嬉しくてジャンプをしました。 水たまりの水が飛び跳ねます。  そうだ思いっきりジャンプできるようになったら、カタツムリのおじさんが言ってたみたいにバラの木の上に登って花の上でお昼寝できるかな、とカエルの坊やは考えました。  うららかな昼下がりの物語です。
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作者:しとえ
2026/09/18 • 👁 108回 • 💬 0件
児童文学
592文字 約2分で読了

赤い糸

Day 6: 赤い糸 / 見知らぬ町 / 消えた足跡  あるところに刺繍が大好きな女の子がいました。 女の子はある時、赤い糸を1本拾いました。 わぁ、この赤い糸なんてキレイなんだろう。 これで大好きな刺繍をしたらきっとステキ! 女の子はその糸を持って帰ります。 これで何を刺繍しよう!ワクワクしながら針と布を取り出します。 コン、コン、コン! 玄関の扉を叩く音。 「どちら様?」 「こんにちは、あなたが拾った赤い糸、実は私のものなのです」 扉を開くと会ったことのない男性が立っています。 この糸は運命の赤い糸うっかりと切れて落としてしまったのです。 「そうなんだ。それじゃあお返ししないと困るね」 女の子はその人に糸を渡しました。 「ありがとう、あなたの運命の赤い糸もきっと素敵な人に巡り合わせてくれますよ」 そう言って男の人は立ち去りました。 女の子はそう言われて、自分の小指にキラキラときらめく赤い糸が結びつけられていることに気がつきました。 一体この糸はどこに繋がっているのだろう? 糸の先はキラキラとした光になっていてよく見えません。 女の子は男の人に尋ねようと思いましたが、すでに立ち去った後です。 足跡が雪の上にくっきりと残っていましたが、外に出て足跡を追いかけて行くとやがて雪に覆われて消えていました。  私の運命の赤い糸。 いつか見知らぬ町のまだ出会ったことのない素敵な人に繋がっているといいな、と女の子は心の中でつぶやきました。
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作者:しとえ
2026/09/18 • 👁 117回 • 💬 0件
児童文学
853文字 約2分で読了

嵐の夜の演奏会

雨風が強い晩でした。 暖炉の火のそばで温まっているとふと扉を叩く音。 コンコン! 誰かが訪ねてきます。 扉を開けると小さな男の子が立っているではありませんか、土でドロドロの足。 「どうしたの坊や?」 「あのねボク空の上から落ちちゃったの」 しょぼんとしている男の子の頭には小さな角。 迷子になった雷の坊やです。 外では雷が響きます。 「坊や!坊や!どこに行った!」 雷のお父さんが探しているのでしょう、外は嵐。 川の水はあっという間に増えて行きます。 「お父さん探してるね」 「どうしよう。ボクがここにいるってどうしたらわかるかな」 「うーん」 私はしばらく考えました。 「雷の音に負けないように大きな声でボクはここだよって言ったら聞こえるかな」 男の子はそう言いました。 「そうだね聞こえるかもしれないね!」 私はもともとミュージシャンでした。 家には楽器や機材、マイクだってあります。 坊やを連れて楽器の部屋へ。 「わーすごい!」 ドラムのセットを見て男の子は大興奮! 「お父さんのみたい!」 「お父さんもこんな感じのドラムを叩いているの?」 「うん、お父さんは雷さまだからすごくタイコが上手いんだ!」 「じゃあこれを叩いてマイクで空に向かって叫んだら お父さんに届くんじゃないかな」 「叩いていいの⁉」 男の子は大喜びでドラムの前に座りました。 夜の演奏会の始まりです。 窓のそばにスピーカー、音を大きくして空にまで届け。 男の子は太鼓を叩きマイクで大きな声で歌い、私はシンセサイザーを弾きました。 大音量が響きます。 その音を聞いた雷さま。 「息子の声がするぞ!上手に叩いているじゃないか!」 慌てて空から降りてきました。 「坊や!」 「あのねお父さん、お姉ちゃんと太鼓を叩いてお父さんに聞こえるように一緒に演奏したんだ」 そう嬉しそうに話す坊や。 「お世話になりました」 そう言って深々と頭を下げる雷さま。 後には晴れ渡った朝の空と虹。 こうして2人は帰って行ったわけですけど、雨の日時々空を見上げては、坊やと雷さまが一緒に演奏しているのかもしれないなと思って私はにっこり微笑みました。
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作者:しとえ
2026/09/18 • 👁 96回 • 💬 0件