SF・ファンタジー
黄昏にチョコバーガーはいかが?
682文字
約2分で読了
ぐつぐつ煮えている寸胴鍋に、砂糖をぶち込んでかき混ぜる。
スプーンですくって、一口味見。
舌先に感じる素材のとろりとした風味にほのかな甘み。
まあ、悪くはない。私の好みではないが、最近の若者たちの間では、何にでも砂糖を加えるのがトレンドだからな。
でも、風味が何だかもの足りない気がする。
今回、友人がわざわざ融通してくれた希少材料を使ったのだ。
絶対に元が取れる値段で、売れるものを作らなければ!
なにかもっとこうグッとくるような・・・
そうだ。あれ。あれがあったっけ。
冷蔵庫から先日スーパーで買ったカカオ70パーセントのやや高級なチョコバーを取り出して、鍋に投入。
素材の独特の匂いにチョコの甘い香りが加わって何とも言えない匂いが立ち込める。
なんとも魅惑的な香り。これなら、若者の掴みはOKのはず。
もう一度、味見して最終チェック。
甘みと苦みの塩梅がなんともグッド。
人肌程度に鍋の中身が冷えるのを待って、塊肉を取り出す。細かく刻み、レタスをたっぷり載せた特製バンズに一塊置くとその上から煮汁をたっぷりとかけた。
よし。新作チョコレートバーガーのできあがり。
そろそろ日が沈む。公園もにぎやかになる頃だ。
* * *
週末の黄昏時。
この公園はデートスポットとなっている。
いつものように屋台スタンドを設置すると、大声で呼びかける。
「新鮮なAランクレバーを使ったチョコレートバーガーはいかが。レアな人間の肝臓入り。お値打ち価格だ。この機会におひとついかが」
「人間のレバーだって!」
スタンドの前にはあっという間に列ができた。
やったね。今日の売上は期待できそう。
私は牙を剥いてニンマリ笑った。
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