エッセイ
空っぽの教室
680文字
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朝から教室の中はみんなハイテンションだった。
当然といえば当然かもしれない。
3年間一緒に過ごした、いや小学生の時からだから実質9年間一緒に学び育った。そんな同級生たちとも高校に進学するのにバラバラになってしまう。
だからだ。
不安な気持ちを払拭する様にみんな笑いあい、ふざけ合い、このわずかな時間を楽しんでいる。
プロフィール帳を交換しながら書いてゆく女子たち、後ろでじゃれあっている男子たち。みんな思い思いの時間を過ごす。
今の時代はみんなスマホを持っている。クラスメイトのグループLINEだってある。でも、昔ながらのプロフィール帳を交換するのは 大切な儀式のように思えた。
忘れないでね、ずっとだよ。
最後にそんな言葉を添えて。忘れるわけなんかない。
晴れた空の下で、私たちは笑い合いその時間を過ごす。
きっと学生生活の3年間、いいや小学生の頃からの9年間ずっとそんな風に大切な一瞬一瞬の連続だったのだろうけど。
卒業式の祝辞の言葉。
校長先生の話。
手渡された卒業証書。
あまりにも軽い紙の筒だけど、それはとても大切な時間そのものの証明のような気がした。最もクラスの男子たちはその筒でチャンバラをしている。
もう最後まで子供っぽいんだから!
そんな女子たちの話し声が聞こえる。
でも、ふざけあえるのも今日で最後なのだ。
卒業してもまた会おうね。
きっとだよ!
そんな会話をして日の差す空の下、さようならの言葉。
目いっぱい手を振って、お互いに違う高校に通うことになる。
最後の時間。教室を出て青空の下で、笑い合って抱き合って、
さようなら。
先生の目にも涙の後。
泣いている子もいた。
後には空っぽの教室。
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