児童文学
ツボめいじん
693文字
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とうげいの名人に 作られた3つのツボが、木ばこの中に ならんでいました。
船にゆられて ゆーら、ゆら
木ばこの中で、ツボたちは 話しあいます。
「わしはお花の先生に、
りっぱな 生け花を
生けてもらうんじゃ!」
大きなツボは、じしんまんまんに そう言いました。
「私はキッチンでミソを入れてもらうの!おさとうでもいいわ!」
中ぐらいのツボはごきげんに そう言いました。
「ボクは何を入れてもらえるんだろう……」
小さなツボは考えました。
船はみなとで とまって、にもつが つみ下ろされます。
木箱もかかえられて いよいよ 船をおりるという時でした。
強い風が吹いて、バランスをくずした木箱は海の中へ まっさかさま。
海の底で、木ばこから ほうりだされたツボたちは あっけにとられていました。
「どうしよう、せっかくキッチンに行けると思ったのに!」
しょんぼりしている中ぐらいのツボ。
「ここでは キレイな花を 入れてもらえない じゃないか!」
おこってる 大きなツボ。
小さなツボはだまって かなしんでいました。
魚のおやこがやってきます。
「見て見て お父さん、大きなツボだよ!」
「やあ、これは とてもりっぱだ」
魚のおやこは 大きなツボを すっかり気にいり そこにすむことにしました。
中ぐらいのツボのところにタコがやってきます。
「これはボクの体にぴったりのサイズだ!」
タコは中ぐらいのツボがすっかり気に入ったみたいです。
小さなツボはしょぼんとしています。
「だれもボクを えらんで くれないのかな」
その時、一ぴきのヤドカリがやってきました。
「ステキ!ちょうどボクの せなかに ぴったりだ!」
ヤドカリはツボを せおいます。
そんなわけで、3つのツボは海の中で 楽しく今もすごして いるのですよ。
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