エッセイ

正しかった教科書

525文字 約2分で読了
作者:しとえ
 家の本棚を整理していると、中学生ぐらいの時に使っていた教科書が出てきた。 懐かしさにページをめくる。 資料集の国語図録を見てますます嬉しくなった。 もうボロボロの国語図録。 中学生の時、国語図録を見るのが好きで暇さえあれば眺めていたのを思い出す。 漢詩や短歌、平安時代の女性貴族の作家から文豪、現代の作家まで様々な作家の紹介、代表作。 作品が作られた舞台や背景。用語の説明、歳時記まで。  生きていく上で勉強ばかりが重要なわけじゃない。 けれどこの国語図録は私の人生を豊かにしてくれたと思う。 今の時代はスマホでググればすぐに何でも出てくる。 AIに尋ねれば答えてくれるし、何でもすぐに調べることができるわけだけど。    今日は中秋の名月だ。 国語図録の中秋の名月のページをめくる。 月にまつわる和歌や地方の習慣、中秋の名月が歴史でどのように扱われていたのかが載っている。 関東風と関西風の月見団子の違いも。  ちなみに我が家ではどちらも用意する。 裏の畑のすぐそばに生えている、すすきを取ってこよう。 お団子は団子粉で作ろうかな。 作ったらすぐに子供達に食べられちゃいそうな気がするけど。  私はそっと、国語図録を本棚に戻した。 学生時代に思いを馳せて、図録のページは私の人生の1ページへとなった。
2026/09/24 ・ 👁️ 76回 ・ 💬 0件

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