ホラー・怪談
『コノ広告ニ興味ガナイ』
813文字
約2分で読了
今日もSNSを見る。
何だかんだニュースアプリとかより、気軽に情報が入ってくるから。
タイムラインをスワイプする。
とある広告が目に入った。
――
〇〇県〇〇市
――
真っ黒な画像の中央にその一文だけ書かれている。
しかも俺の出身地じゃん。
少し不気味に思った俺はその広告の表示をしないように、右上のバツボタンを押し『この広告に興味がない』を選択、SNSを閉じた。
会社の帰りの電車内。
また何となくSNSを見る。
――
幼い頃、寝る前にグズる癖があった。
――
黒い画像に謎の一文。
また同じ広告だ。
せっかく設定したのに、何なんだ一体。
よっぽど多額の広告費でも出してるんだろうか?
朝のひと手間を無駄にされた怒りから、また広告右上のバツボタンを押す。
「ん?」
いつもの『この広告に興味がない』のボタンが出ない。
ラグか?
少し間をおき、広告が明滅したように見えた。
――
〇〇 〇
32歳
〇〇株式会社 平社員
上司が外出中は、仕事をするフリをしてソーシャルゲームをしている。
同僚の■■■に想いを寄せている。
大学から素行が悪くなり賭け麻雀に手を染めた。
それが原因で留年、親には体調不良での欠席で単位が足りなかったと嘘をついた。
――
文字が変わった。
画像いっぱいに書かれた俺の個人情報。
しかも誰にも話したことのないはずの情報も。
すぐにスワイプする。
とにかくもう見なかったことにしたい。
上の投稿も同じ広告。
何度スワイプしても、
更新しても、同じ画像、下側にあったはずの投稿も消え、すり替わっている。
全てのタイムラインは、スマホの画面は、黒い画像で埋め尽くされた。
ホームボタンを押す。
電源ボタンを押す。
スマホが固まったのか全く動かない。
真っ黒の画面は、反射で俺の顔を映す。
スマホをポケットに仕舞えばいいのに。
なぜか画面から目が離せない。
サイレントモードのはずのスマホから、はっきりと声が聞こえた。
「ヤット興味出タカイ?」
黒い画面に反射した俺の顔は、目に届きそうなほど口角を上げ嗤っている。
\ 次の作品を探す /

読者の感想・応援メッセージ