ミステリー・サスペンス

汚れ仕事

369文字 約1分で読了
作者:一枝春
 俺は仕事後は必ず手を洗う。  油汚れを落とすように念入りに、だ。  汚れが気になる業種だし、なにより汚れたままお客様に会うと嫌な顔をされるからだ。  こないだもウッカリ手洗いを忘れて宅配ピザを受け取ったら、ピザ屋の兄ちゃんの第一声が「あっ、ゴメンナサイゴメンナサイ……」だって。そんな10分15分遅れたからってタダにしろ!なんて怒鳴る客じゃないっつーの。  しかし今日の汚れはなかなかガンコだ。こりゃ石鹸だけじゃ落ちねーかも、ブラシ……あれ?どこ置いたっけな。  あ、思い出した。外仕事でたくさんの客相手したときに靴まで汚れが跳ねたから、玄関に置いたままだったわ。  でもそろそろ俺もいい年だし、体力的にもきつくなってきた。カミさん子供を安心して食わせていくなら、別の仕事も考えないとな。  毎度殺しのあとに手を洗うのも億劫だ。そろそろこの仕事から足を洗うとするか。
2026/10/16 ・ 👁️ 46回 ・ 💬 0件

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