その他
オルゴール
332文字
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オルゴールを開くと美しいメロディーが流れた。
それは時の彼方に置き去りにした懐かしい記憶を呼び起こす。
夢の底に沈んでしまった原石のような輝きをもう一度。
オルゴールの上で踊るバレリーナは恋人に会える日を夢見ていた。彼女にはモデルになった女性がいたのだ。
バレリーナは オルゴールの上でくるくると回る。
それを見ながら1人の老人が涙を流した。
亡くなった恋人の姿をバレリーナにしたのだ。
それは彼がとても若い頃。
彼女はもういない。もう何十年も前の話だ。
オルゴールの上のバレリーナだけが彼女がいた記憶を思い出させてくれる。
美しいメロディティはやがてぜんまいが切れて止まり、彼女の美しい姿もまた動きを止めた。
それは失われた時間のように感じて、老人になった彼はまたぽたりと涙を落とした。
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