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アンニュイ&ライダー
1,066文字
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ため息しか出なかった。
このままでは志望校に落ちてしまう。
毎日頑張って勉強しているはずなのに。
日曜日のアルバイトをやめようか……
そうすればもうちょっと勉強できるはず。
とはいえ免許を取るのにアルバイトを辞めたくない。
来年の今頃は一人暮らし。
今すぐ必要なわけじゃないけれど、将来的に運転免許は絶対に必要になるだろう。それに一人暮らしを始めるのなら何かとお金が必要になる。
……その前にまず志望校に受からなくてはいけないけれど。
土曜日は家からそう遠くない図書館に行って自習をする。
いつのまにか正午を過ぎていた。
図書館を出て近くのコンビニでパンを買って、歩きながらかじる。
「よぉ、遥香!」
後ろから声をかけられて振り返る。
「なんだ豊川か」
クラスメイトの豊川がバイクに乗って後ろにいた。
「浮かない顔してるな。ちょっと後ろに乗らないか!ぐるっと回ってたら気分も晴れるぜ」
「それってダメなんじゃないの?だいたい私ヘルメット持ってないし」
「いいから!ちょっとだけなら」
そう言って豊川は笑う。
「……しょうがないな」
私は彼のバイクの後ろに腰掛けた。
やはりどう考えても二人乗りで、ましてやヘルメットもかぶってないのは違法なんじゃないかと思うけど。
そういえば高校生だけど、豊川はいつ免許を取ったんだろうか。
バイクの二輪は高校1年生から取れるんだっけ?
よくわからない。
やっぱり早めに私も免許を取りに行きたい。
風が頬を抜ける。
私は彼の背中に頭をもたげかけた。
心地よい風が憂鬱な気分を吹き飛ばしていく。
やがて私たちは海へと着いた。
「お前さー勉強頑張ってるのはわかるけど、最近顔が暗いんだよ。何て言うの?アンニュイ?」
私はそんなに、気だるそうな顔をしているだろうか。
「あんたはアンニュイな気分になりそうにないもんね」
と私が言うと 少し不満そうな表情を浮かべた。
「俺だって、たまにはアンニュイ?な気分になることだってあるんだぜ」
なぜか腕を組んで、偉そうにそう言う。
「そうだね。最近ちょっと勉強ばかりで疲れが溜まってたかも」
波の音が心地よく、はるか先で汽笛の音がするのが聞こえた。
「あーあ、私も早く免許取りに行きた」いな。そしたら、あんたみたいにバイクでどこにでも行けるし
私のため息を波の音がかき消す。
「その時は一緒にツーリングしようぜ!」
「いいかもね」
二人で一緒に、ロードムービーみたいな旅をする。
全ての憂鬱を吹き飛ばして……
アンニュイな心は波の音へと溶けていった。
※ストーリー上の設定になっておりますが、バイクのヘルメットなしの二人乗りは絶対にしないでください。危険です。
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