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9月の花言葉の140字小説 まとめ

4,740文字 約10分で読了
作者:しとえ
9月1日 『鬼百合の里山』 山はすっかり鬼百合の季節だ。 鬼を打ち払ったという賢者は鬼たちと共に亡くなったという。 後には山に鬼百合の花が咲くばかり…… 亡くなった賢者の化身なのかそれとも鬼の亡霊 なのか…… 地元の人間は恐れて誰も鬼百合を触ろうとしない。 花は黙って 誰に見られる事もなく毎年咲いては枯れてゆく。 9月1日の花言葉 オニユリ「賢者」 ✿✿✿ 9月2日 『マリーゴールドと思い出』 華やかな黄色いマリーゴールドの花が咲いた。 健康的で君の笑顔みたいだ。 君はいつも明るくて、そばにいるだけで僕は元気になった。 可愛い娘。 マリーゴールドの花でおままごとしていた事を昨日みたいに思い出す。 君は卒業して今年から社会人。 がらんとした部屋からマリーゴールドの庭が見える。 9月2日の花言葉 黄色いマリーゴールド「健康」 ✿✿✿ 9月3日 『コスモスの咲く公園』 爽やかな秋の風が吹いていた。 美しいコスモス畑が広がっていて、世界はこんなにも美しかったのかと思った。 我が子と二人手をつないで少し遠くの公園まで歩く。砂場と滑り台があるだけの小さな公園。 だがそこに 広がるコスモス畑に私も息子も目が釘付けになっていた。 9月3日の花言葉 コスモス「美しさ」 ✿✿✿ 9月4日 『偽イソップ物語』 頑張ったけどぶどうが取れなかった狐。 「あのぶどうは酸っぱいに違いない!」 と狐は言った。 「そんなことないよ、美味しいよ」 リスはぶどうのつるを噛み切って狐のところに落としてあげた。 そして2人で仲良くぶどうを分け合って食べたとさ。 9月4日の花言葉 ブドウ「思いやり」 ✿✿✿ 9月5日 『オミナエシの咲く季節』 親切な君に感謝を伝えたい。 だけどどうすれば伝わるんだろう。 お礼のプレゼント?それとも旅行にでも連れて行ってあげるとか? いいや、ここはシンプルに! 「ありがとう!」 君に向かってそう言った。 9月5日の花言葉 オミナエシ「親切」 ✿✿✿ 9月6日 『白髪千里となりて』 貴方を待つうちに長い歳月が経ちました。 私の髪もひげもパンパスグラスの様に真っ白になりました。 人と妖怪では寿命の長さが違います。 もう一度貴方に会いたくて、転生してくるのをずっと待っているのです。 ですがもう会えないかもしれません。 何度でも輪廻転生してくる貴方を待っているのです。 9月6日の花言葉 パンパスグラス「歳月」 ✿✿✿ 9月7日 『オレンジ畑』 オレンジ畑には山のようにオレンジの実がなっている。 美味しくなあれ、美味しくなっていっぱい食べてもらえるように純粋に祈りを込めて。 だが嵐がやってきた。 たくさんのオレンジの実が風で地面に落ちてしまった。 オレンジたちは 工場へ。 美味しい純粋なジュースになったのさ。 9月7日の花言葉 オレンジ「純粋」 ✿✿✿ 9月8日 『どうやら無自覚』 全く彼女はホウセンカ みたいだ! ちょっと触るとものすごく怒る。 「私に触れないで!」 そう言ってこっちを睨みつけてくる。 いや気軽に肩を叩いた僕が悪かったけど。 セクハラで訴えるなんてあんまりじゃないか! 自分の娘ぐらい年が離れた女性にセクハラなんてするわけないだろ! 9月8日の花言葉 ホウセンカ「私に触れないで」 ✿✿✿ 9月9日 秋のお散歩 幼い君の手を引いて歩いた散歩道。 秋風の中シオンの花が咲いていた。 「君を忘れない」 幼い愛しい日々も、成長してたくましくなっていく君も。 ずっとずっと私の心の中。 9月9日の花言葉 シオン「君を忘れない」 ✿✿✿ 9月10日 『最近の男は怖がりもしない!と口先女は愚痴りましたとさ』 華麗で豪華なダリアの花束を持って僕は君の元へと向かった。 ここで待っていれば君が来るはずだ! 足音が近づく。 ほらやってきた! 「私キレイ?」 そう言って君はマスクを外す。 「大きな笑った口元がとても素敵です!僕とお付き合いしてください!」 硬直する君。 君は一目散にマッハで逃げ出した。 9月10日の花言葉 ダリア「華麗」 ✿✿✿ 9月11日 『火傷の後には』 痛いよ! 僕がそう言うとおばあちゃんがアロエを持ってきて傷口に貼ってくれた。 少しひんやりして苦痛が和らぐ。 その時、おばあちゃんってすごいなと思った。 何でも知っている。 ベランダにはアロエ。 大人になってからも、たまにおばあちゃんを思い出し怪我をしたら傷口に貼る。 アロエの魔法だ。 9月11日の花言葉 アロエ「苦痛」 ✿✿✿ 9月12日 『葛湯の思い出』 風邪を引いた僕に母は葛湯を入れてくれる。 葛湯を飲めば体がほんの少し楽になったような気がする。 母は僕を女手一つで育ててくれている。 本当に芯が強い人だなと思う。 「飲んだらしっかり休んでね」 「はーい」 母が去って行く足音を聞きながら布団にもう一度入る。 9月12日の花言葉 クズ「芯の強さ」 ✿✿✿ 9月13日 『恋の期待』 僕の胸は期待に膨らんでいた。 なぜかと言うと、好きなあの子から校舎の裏に来てと言われたからだ。 僕のラブレターの返事だろうか? 「あのさ毎日、下駄箱に手紙を入れるのやめてくれる?気持ち悪いし 怖い」 「……」 君が立ち去った後、花壇に目を落とすとゼフィランサスの花が揺れていた。 9月13日の花言葉 ゼフィランサス「期待」 ✿✿✿ 9月14日 『愛と歳月』 秋の風にシュウメイギクが揺れる。 あの人のことを思い出す。 何年も歳月が過ぎて、だんだんあの人が死んだことを悲しいと思わなくなった。 忘却が愛を思い出に変えてゆく。 いつの日か私も死ぬだろう。 その時にあの人のことを私はどう思っているだろうか。 9月14日の花言葉 シュウメイギク「薄れゆく愛」 ✿✿✿ 9月15日 『弔いの日』 私のお葬式にはね、真っ赤なドレスがいいわ。 ダリアの花みたいな華麗なドレス。 それを着て弔いの皆様を眺めるの。 白い百合で覆い尽くされて、青い空にさようなら。寂しい曲なんて流さないで! お別れするのはとっても悲しいのだから…… 9月15日の花言葉 赤いダリア「華麗」 ✿✿✿ 9月16日 『神装束』 君の織り上げた茜色の着物は、茜さす空の下とても似合っているなと思った。 茜の花は目立たない。 とても小さな花だけどこんなにも美しい織物を作り上げてくれるのだ。 まるで小さな茜の花のように目立たない君だけど、その胸の内が茜色のおりもののように 鮮やかであることを私は知っている。 9月16日の花言葉 アカネ「私を思って」 ✿✿✿ 9月17日 『大切な君への願い事』 「今夜は流星群だってさ」 二人でベランダに出るが空が曇っていて見れそうにない。 「残念だね」 「うん残念だ」 君と僕は部屋へと戻る。 星は出ていないけどベランダにはミセパヤの星形の花が咲いている。 大切な君と星を見ながらどさくさに紛れプロポーズしようなんてとてもじゃないが言えない。 9月17日の花言葉 ミセパヤg「大切なあなた」 ✿✿✿ 9月18日 『花の色』 アザミの花の色のトートバッグを買った。 これは私のお守りだ。 これに本を入れて出かける。 お気に入りの本を持っていたらとても安心するから。爽やかな風が頬を抜けて、アザミの花が咲いていた春を思い出す。 春と秋は少し似ている。 どちらも花咲く美しい季節だ。 9月18日の花言葉 アザミ「安心」 ✿✿✿ 9月19日 『サルビアの記憶』 夏になれば思い出す。 小学校にサルビアの花が植わっていたことを。いつも校長先生が花を植えていたから、あの花も校長先生が植えたのだろう。 真っ赤なサルビアの花と先生の笑顔を思い出す。 先生お元気かな…… 私はそっとプランターにサルビアの花を植えた。 9月19日の花言葉 サルビア「尊敬」 ✿✿✿ 9月20日 『彼岸の岸辺』 あなたに会いたくて一途に思い続けております。彼岸花の咲、あの世とこの世のほとりで。 いつかあなたをこちらにお迎えしようと、だけどそれはあなたが死んでしまうということです。 それはあまりに悲しくて、私はいつもここから あなたを見ております。 9月20日の花言葉 彼岸花「あなたに一途」 ✿✿✿ 9月21日 『花冠』 「ママ、見て見て!」 サンビタリアの花で作った花輪を持って娘が駆け寄ってきた。 私は娘を見つめる。 「上手にできたね」 花壇の花はすっかり なくなってしまったけれど 娘の笑顔は花よりもずっと美しく見えた。 9月21日の花言葉 サンビタリア「わたしを見つめて」 ✿✿✿ 9月22日 『千日紅の花の恋』 僕はずっと君に変わらぬ恋をしていた。 それこそ子供の頃、千日紅の花でおままごとをしていた頃から。 だけど君とは違う高校になって離れ離れになってしまう。その前に勇気を持って告白するんだ。千日紅を片手に君が通るのを待っている。 ……神様どうか僕に勇気をください! 9月22日の花言葉 センニチコウ「変わらぬ恋」 ✿✿✿ 9月23日 『秋の庭』 そろそろ 秋だというのに露に濡れてダリアの花は優雅に咲いていた。 初夏からずっと庭を彩ってくれている。 疲れた日常を華やかにしてくれるのだ。 一つ花瓶に入れてテーブルに飾る。 この花のように周りを明るくする人間になりたい。 9月23日の花言葉 ダリア「優雅」 ✿✿✿ 9月24日 『おじいちゃんからの贈り物』 ぶどうの収穫機がやってきた。 今年も孫娘たちは喜んでくれるだろうか。 こんなにも思いやりを込めて育てたのだ、きっと喜んでくれるだろう。 今年は特に美味しくできたと思う。 一つ一つ丁寧に箱に詰めて配達に出す。 孫娘たちの笑顔を思い浮かべながら。 9月24日の花言葉 ブドウ「思いやり」 ✿✿✿ 9月25日 『恋心と勇気』 久々に同窓会であった幼馴染はずいぶんと素敵な女性になっていた。 帰り道、一緒に公園を散歩する。 子供の頃から幼馴染と公園でよくペチュニアの花でままごとをして遊んでいたっけ。 「あなたと一緒なら心がやわらぐのよ」 「LINE 交換しよう」 スマホ には君の連絡先。 だけど連絡できずに僕はいた。 9月25日の花言葉  ペチュニア「あなたと一緒なら心がやわらぐ」 ✿✿✿ 9月26日 『離れゆく愛』 蓮の池のそばを歩いて行く。 いつもの散歩道、去年はあなたとここを歩いた。 蓮の花が綺麗だねと話したっけ…… お盆になるから、あなたは帰ってきてくれるだろうか。 まだあなたが死んでしまった実感がない。 あなたの愛をいつか忘れてしまうのが怖い。 9月26日の花言葉 蓮「離れゆく愛」 ✿✿✿ 9月27日 『お花も一緒にご飯を食べたいと思ったの。』 「ひらめいた!」 突然息子はそう言った。 庭のトレニアの花をバケツに入れて家の中に持って帰ろうとする。 一体何事かと思って息子に尋ねると、 「このお花 一つしかないからお家に連れて帰ってあげようと思う」 なんて言い出す。 私は少し考え、 「お日様が当たらないとダメなんだよ」 と言った。 9月27日の花言葉 トレニア「ひらめき」 ✿✿✿ 9月28日 『墓参りの花』 お墓参りの切り花に庭のシオンを摘んできた。 じいちゃんがこの話 好きだったな。 ばあちゃんは花を見ると少し寂しそうな顔をした。 「あの人、天国で待っててくれるかね」 手を合わせながらばあちゃんはそう言った。 「あんまり早く言ったらじいちゃん怒るかもよ」 長生きしてよばあちゃん。 9月28日の花言葉 シオン「君を忘れない」 ✿✿✿ 9月29日 『林檎の木の下で』 春に林檎の花の下で君に出会った。 夏に君と林檎の木の下で笑い合った。 秋になると たわわに林檎の実がなった。 かごいっぱいに林檎を収穫して、君に差し出す。 君は笑顔で受け取って、翌日パイを焼いて持ってきてくれた。 ああ、やっぱりそんな君のことが好きだ。 9月29日の花言葉 林檎「選ばれた恋」 ✿✿✿ 9月30日 『公園にて待つ』 公園で貴方を待っている。 期待に胸を膨らませながら。 ほら貴方がやってきた! 貴方は手に花束を持って。 それは私にかしら? 貴方は花束を地面に置きそっと手を合わせた。そして私は自分が死んでいたと思い出した。 貴方がいなくなった後、ただ静かに公園のゼラフィン サスの花が揺れていた。 9月30日の花言葉 ゼフィランサス「期待」
2026/10/08 ・ 👁️ 50回 ・ 💬 0件

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