コメディ・日常
とりあえず生中!
674文字
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スーパーのアルコールコーナーをカートを押しながらゆっくりと進む。
そろそろ冷蔵庫のビールが切れているから買って来なくちゃ。
だけどあの人、どのビールがいいって言ってたっけ?
私は全くアルコールを飲まないのでよくわからない。
そもそもどれが発泡酒でどれがビールなのかがいまいち分かっていない。
健康気にしてグリーンラベルのがいいって言ってたから発泡酒になるのだろうか。
おまけにグリーンラベルと言っても色々あるのだ。
私はしばらく考え込んで、サラダオイルのおまけがついている箱をカートに乗せた。二十四本入りだから一ヶ月はもつだろう。
家路に着く。
夫と知り合ったのは学生時代、居酒屋でアルバイトしていた時だ。
常連客で、いつも飲みっぷりが良い。
とりあえず生中!
注文はいつも同じだった。
ビールを豪快に飲み干して、会社の同僚たちと楽しそうにおしゃべりしている。第一印象は明るくて楽しそうな人だなぐらいだっただろうか……
実を言うと私は下戸だ。
ほんの少しのアルコールでも顔が真っ赤になり心臓がバクバク と破裂しそうなほど痛くなる。おそらくアルコールを全く受付けない体なんだろう。
夫が家に帰ってきてとりあえずビールを……いや発泡酒か?
よくわからないけど飲み干すのを見るのが実はとても好きだ。
夫はもともと明るい性格だけどアルコールが入るとさらによくしゃべるようになる。
夫のおしゃべりを聞きながら私は麦茶を飲み干す。
おつまみのチーズを一緒に食べながら。
その時間がいつもちょっとだけ楽しみだったりする。
そろそろ夫が帰ってくる時間だ。
玄関で音がした。
「ただいまー!」
いつもの明るい声がする。
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