エッセイ
真面目な社員
244文字
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その社員は真面目だった。
無遅刻無欠勤。
資格も取得し、社内試験にも積極的に挑戦した。
上司の信頼も厚かった。
しかし、私生活は不真面目だった。
酒癖が悪く、しばしば他人とトラブルを起こした。
やがて、有罪判決を受けた。
会社は社の信用を失墜させたとして彼を懲戒解雇させ、退職金の支給について議論になった。
「不真面目な人間に退職金は必要ない。」
人事部長はそういった。
すると社長が首を横に振った。
「いや」
そしてこう続けた。
「彼は真面目な社員だった。」
数日後、男は退職金を受け取った。
そして酒場へ向かった。
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