ポエム・詩
燃えさかる炎のように
489文字
約1分で読了
あなたと過ごした日記帳
私にはもう必要なくなったので 燃やす事にした
電子ライターでは味気ない気がしたので
マッチを探して買う
いざ 火を点けようとすると
少し躊躇う自分がまだいる事に驚いた
火を点けられずにいると 捨てたはずの思い出が
私の心をまたよぎる
ここで思い出に心奪われてはいけない
そう思い 意を決して日記帳に火を点ける
パチパチと乾いた音を立てながら
日記帳が静かに燃えてゆく
思えば この日記帳のように
燃え上がるような恋をしたものだ
ゆらゆら 揺らめく灯を見つめながら
懐かしい記憶たちが燃えていく
燃えさかる炎は美しく
一番懐かしい思い出が一番よく燃える
それらが永遠に消えていく時 その炎はさらに燃えさかる
思いがけず 一筋 こぼれたその涙も
炎の前に乾いていく
そのあとは 燃え尽きるのは一瞬だった
目の前の日記帳と思い出が重なる
愛も炎も いつまでも燃えていられないのは
一緒なんだな と
ススしか残らない日記帳を眺めながら
そんな事を思った
そして そのススも
風に吹かれて飛んでいく
思い出たちが風に消えてゆく
『最後には何も残らない』
そんなところも よく似ているのかもしれない
二月終わりの風はまだ冷たく
心の熱をも冷ましてゆくようだった
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