ホラー・怪談
乙姫様 其の三
493文字
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クラスに楓ちゃんという女の子がいる。
一学期の間は学校に来ていたが、夏休みがあげて二学期からはずっと休んでいる。
どうやら病気らしい。
詳しいことは知らないけれど……
夏休みのある晩、楓ちゃんのおばあちゃんが夜に山道を登っていくの私は見たことがある。
あれは夏祭りの夜だった。
だから私も祭りの帰りだったのだ。
こんな時間にどうしてだろう、疑問に思った私は後をつけた。
おばあちゃんはまっすぐに山の祠に向かって歩いて行く。
「乙姫様、乙姫様、私の命と楓の命を交換してください」
楓ちゃんのおばあちゃんがそう願っているのを聞いた。
……楓ちゃんの病気はそんなに悪いのだろうか?
結局夏休みが明けても、楓ちゃんはずっと学校に来ない。
もうそろそろ二学期が終わる頃、彼女は学校にやってきた。
真っ白な髪、シワだらけの肌、しわがれた声、まるで老婆のように背を丸め……
「楓さんは、病気の治療のために引っ越すことになりました。皆さん今日はお別れの挨拶に来てくれました。握手しましょう!」
先生がそう言った。
一人ずつ同級生たちが握手して、お別れの言葉を言ってゆく。
私の番がやってきた。
目の前にいるのは楓ちゃんだろうか、それとも……
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