ポエム・詩

違和感

766文字 約2分で読了
違和感を覚える。 朝、夕方に流れるはずの「家路」が流れる。 違和感を覚える。 たくさんの人が小さな部屋の中で座り、一人一人名前で呼ばれ、向こう側にあるドアへ入って行く。 甘い、アロマキャンドルというものだろうか。 それと眠たくなる音楽が流れ、落ち着けと諭されているようでほんの少し苛立った。 奇妙な空間だ。 違和感を覚える。 何故か自らの足は、見知らぬ土地の見知らぬ道を歩ませる。 私の家はトイザらスの通り。 レンタルビデオ屋の向かいだったはず。 違和感を覚える。 エスカレーターの前の人がこちらを見ている。 違和感を覚える。 電車が来る時のメロディが違う。 違和感を覚える。 家のカギをかける所を、見知らぬ女性がそばで見ている。 怖いのでその女性に語りかけることができない。 違和感を覚える。 突然大きな声を出したくなる。 私はその見知らぬ女性に怒られた。 違和感を覚える。 怖い感情より、申し訳ない気持ちが強かった。 違和感を覚える。 部屋には下手な絵とネイル用品、小さな青い宝石がついた雫のようなピアスが大量に散乱していて、捨てようとすると手を止められた。 違和感を覚える。 その女性の目に映る私は歪み、一滴その人の頬を撫でるように落ちて行った。 私の視界もいつしか歪む。 温かい、名も知らぬその女性の手をそっと包んだ。 それからドリアを食べた。 ドリアは好きだ。 毎日でも食べたい。 違和感がない。 湯船につかり、歯を磨く。 でも面倒だ。 私の髪ってこんなに長かった? 違和感を覚える。 妙な錠剤を飲まされる。 違和感を覚える。 私の布団は中央だった。 父が右隣、母が左隣。 今は見知らぬ女性が右隣。 左隣の空白が、何故か大きな不安を呼び込む。 右隣の女性が「明日の朝、散歩行く?」と尋ねてきた。 私は「嫌、面倒くさい」と答えると、その女性は嬉しそうに微笑んだ。 違和感を覚えた。 明日もこの違和感は続くのだろうか?
2026/09/27 ・ 👁️ 68回 ・ 💬 0件

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