SF・ファンタジー
運命の輪の中で
572文字
約2分で読了
本には魔法がかけられていた。
たくさんの運命が記されて、一冊の本になる。
これは僕の物語。
君と何度でも巡り合うために人生を何度でもやり直す。
初めて君と出会ったのはいつだったのかもう今では思い出さない。前世の記憶なんて持っていても記憶を全部持っているわけではない。
大概の人間が前世の記憶はすっかり忘れてしまうのだ。
でも僕は君のことだけは絶対に忘れない。
僕は何度君に巡り合ったのだろうか……
そして今の人生でまた君と巡り合えるのだろうか。
物心がついた時には、僕は君のことを思い出していた。
いつか巡り会うかもしれない君のことを。
ある時は運命的な出会いをして悲しい別れを迎え、またある時は穏やかに人生を過ごし君と一緒に生涯を終える。
あるいは君と出会うのはほんの一瞬でそしてあっという間にお別れになってしまう人生もあった。
今度は僕はどんな人生を歩むのだろう。
何百回、何千回、やり直したかわからない人生の中で、再び君に出会うことを夢見ている。
君に会いたい。
きっとその機会は来るはずだ。
僕は今、幼い少年。
君はどんな姿をしているだろう。
毎日いろんな人と出会い過ごし時間が過ぎてゆく。
その中で僕は必ず君に出会うはずだ。
見逃すものか、絶対に。
「こんにちは、初めまして!」
初めて会ったはずなのにこんなにも懐かしい。
「初めまして、こんにちは!」
……そうして君にまた再会する。
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