SF・ファンタジー
月と太陽の音
319文字
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月の音は、水面を揺らす足音だ。気配は薄く、しかし確かな知性と冷静さを兼ね備えたその音は、鋭利な刃物のようにキッチリと研ぎ澄まされている。その音に胸を刺される度、恍惚とした感情が芽生える。
太陽の音は、草原を軽やかに舞うステップだ。柔らかで優しいその足取りが耳に入ると、不思議と聞き手であるこちらの心が温かくなる。
月の音の冷静さと、太陽の音の眩しさ。どちらにも独自の個性があり、太陽の音を聞けば月の音が恋しくなり、月の音を聞いていると太陽の音も聞きたくなる。
それぞれの音が交互に大地を照らす度に、「この二つの音が交わったら」とあくる日を想像した。
生きたい。月と太陽の音をまだ聞いていたい。いつかを夢見て息をせねばと、詰まりの酷い鼻を鳴らした。
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