恋愛

人生のエンドロールまで

463文字 約1分で読了
作者:しとえ
人生には終幕というのがつきもので、それはいつか絶対に誰にでもやってくる。 だから生きていく限り後悔のないように精一杯生きていかなくてはならない。 君と一緒に見に行った映画館。 エンドロールの後に観客たちは立ち上がりゆっくりと去ってゆく。人生の終幕においてやはり同じように観客たちは席を立ち上がり去ってゆくのだろう。 僕はポケットから小さな箱を取り出した。これは小さな物語の終幕。 ハッピーエンドになるかどうかは分からないけれど。もしうまくいけば長く始まる人生のほんの一幕。 誰もいなくなった映画館で僕と君二人だけ物語の余韻に浸る。エンドロールの途中で席を立ち上がり去って行く人々。けれど僕はあまりそういうことが好きじゃない。 最後の曲が終わるまできっちりと席に座って待っている。 二人っきりになった映画館で席を立とうとする君にそっと箱を差し出す。 「僕と結婚してください」 長い長い人生の物語の小さな山場。これから続く君と二人の物語をどうか僕にください。 エンドロール、人生という幕が終わるまで君が隣にいて座って僕の人生を見ていてくれることを望む。
2026/09/23 ・ 👁️ 94回 ・ 💬 0件

\ 次の作品を探す /

読者の感想・応援メッセージ

まだ感想はありません。

0 / 1000文字